凡才ですから

凡才だから努力して一日ひとつだけ強くなる。

図工が大嫌いだったオタクが20時間だけ絵を練習したら涙が出た

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どうも、タイヘイです。

 

小学校の頃から僕は絵が大の苦手でした。

絵よりはマシでしたがそれ以外も駄目で、図工は大嫌い。

夏休みの宿題でポスターなどを描かされるのは拷問に等しく、絵の上手な子の隣に張り出された時などはひどく惨めな気持ちになったのを今でもありありと思い出せます。

 

そんな僕が20時間ほど絵の訓練を積んだらどれくらい上手くなれるのかに挑戦しました。

(詳しくは過去記事巨人の肩に乗れ。「たいていのことは20時間で習得できる」今こそ僕は知の高速道路を最速で駆け抜ける を参照)

 

成果を確かめるべく初日と同じ絵を描き、ペンを置いたとき。

 

僕の目からは自然と涙がこぼれ出ていました。

 

僕と同じように絵が苦手だけどもしも描けたらと思う人がいたら、ぜひこの記事を最後まで読んでどれくらい上達するのかを見てほしい。

 

2週間で描いた14枚の絵と今日描いた絵を載せるのはもちろん、実際にどういった訓練をしたのか、訓練でどういったことに気づいたのかをまとめます。

 

そして20時間なら2週間とか1ヶ月もあれば出来るし、お金もかからなそうだから自分もやってみるか、と思っていただけたらこれに優る喜びはありません。

 

 

 

20時間の訓練の内容は? 結論:模写をしよう。

 

僕の絵に対する苦手意識は成長するにつれてどんどんひどくなりました。

 

中学に入り科目が技術と美術に分かれてからは、木を削り出したりしてものをつくるのはセンスはないかもしれないけど理系っぽくて嫌いじゃないと思うようになりました。

その一方で絵はさらに周りが上手くなっていったこともあって、触れることすら嫌になってしまいました。

 

そんな僕ですが、漫画を読むのは好きでした。

 

コロコロコミックから始まり、ジャンプ、電撃大王、モーニングと歳を取るごとにジャンルの幅を広げ、今では「ちはやふる」とか男性でも楽しめるものなら少女漫画も読むようになったほどです。

 

様々な作品に触れるに連れて自分でも何かを作り出したいと思うのはよくある話。

 

絵にはまったく触れないものの、文章を書くのは苦手ではなく高校の頃に大学主催の小さな創作コンテストで賞を取りました。

そして大学のときにはライトノベルの新人賞に応募するくらいにはどっぷりオタク文化にハマっていました。

 

しかし、小説は小説で大好きなのだけれど、やはりずっと絵が苦手というのは自分の中で非常に強固なコンプレックスとして存在し続けていました。

 

そんな僕が今年出会ったのが「たいていのことは20時間で習得できる」という本。

 

このブログを書くことになったきっかけでもありますが、これはプログラミングなどに限らず、囲碁やウクレレ、ウインドサーフィンなど趣味にも通じるような非常に面白いものでした。

 

さらに実際に著者が20時間で身につけたスキルを動画で見たことで(ウクレレの演奏)僕は思ったのです。

 

もしかしたら、絵も20時間集中して訓練すれば上手くなるとは言わなくても苦手意識を少しやわらげるくらいのことは出来るのかもしれない、と。

 

著者は本文の中で上手くはないが楽しめる入門レベル(またはそれ以前)の技術を獲得するのには抑えるべきポイントがある。

そのポイントを調べてそこに注力するべきだ、という結論を出しています。

 

僕は絵の訓練方法についていろいろ調べ、そして模写をする(お手本に紙を重ねてなぞるトレースではなく、あくまで見て描く。アナログで描き色は塗らない)という方針を決めました。

 

その理由は、

  • 学生時代ノートに落書きすらしてこなかったのでオリジナルにいきなり挑戦は難しい
  • 好きなキャラクターを描くのなら楽しく取り組める
  • 好きなキャラクターは元々特徴を知っているので描きやすい
  • 題材をネットで簡単に探すことができる
  • そもそも(リアルな絵よりも)イラストが描きたいという意志がある
  • 色を塗ったりデジタル絵に関しては時間が足りないので今回はパスせざるを得ない

といったことによります。

 

約20時間の訓練で僕は模写以外にもいくつかの基本的な反復トレーニングをし、14枚の絵を描きました。

 

そして今日、その進歩を確かめるべく初日と同じ絵を描き終えたとき僕の目からは自然と涙がこぼれ出ていたのです。

 

初日の絵がこちら

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20時間絵の練習をして、今日描いた絵がこちら

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どうでしょうか?

(繰り返しますが20時間の絵の練習の最初の1枚と最後の1枚です。どちらもお手本に紙を重ねてなぞったトレースではなく、見て描いた模写です。)

 

けっしてものすごく上手いとは言わないし、気になる部分もあるのですがきちんと何のキャラクターか分かるレベルにはなっているとは思いませんか?(「涼宮ハルヒの憂鬱」の佐々木さんです)

 

2回目に佐々木さんを描き終えたとき、これまでのコンプレックスが溶けるように思わず僕の目からは涙がこぼれ落ちたのです。

 

次の項では模写以外にした練習について、その次の項では模写で気づいたことを最後の項では訓練で描いた絵を載せていきます。

 

 

模写以外の訓練について

 

模写は訓練の中心で14,5時間ほどを使っています。

しかしそれ以外の基礎的な訓練も模写に取り掛かる前にウォーミングアップがてら行いました。

 

具体的には2つあり、1つ目は「ラクガキマスター」という本を読んだことで取り入れた、線の練習です。

 

内容としては、

  • 縦と横の平行線を描く
  • 円を描く
  • 円柱と立方体を描く

といったものです。

 

量としては大きめに描いてA4のコピー用紙1枚ずつといったところでした(メモに使った裏紙を利用)。

平行線と円は基礎の基礎で、スポーツで言う筋トレのようなものです。

続けることでだんだんと模写の線が良くなっているのがわかりました。

 

立方体や円柱はキャラクターを絵として平面に落とすときに、腕や脚がどうバランスを取って身体を支えているかを考える手伝いをしてくれたと思います。

 

2つめは30秒ドローイングです。

Posemaniacs.com » 30秒ドローイング - 絵の練習用ポーズモデル

上のサイトをスマホで開き、10人ほど描きました。

 

こちらも立方体や円柱を描いたのと同じような効果ですが、人を描いているのでより直接的な効果があったように思います。

 

全体を捉えるには30秒ドローイングが、パーツを捉えるには立方体や円柱が、線に落とし込むには平行線と円の練習が役に立ちました。

 

そう考えると人間のキャラクターを描くという点ではかなり良い基礎訓練を積んでいたと思います。

 

また、線の練習で出た「ラクガキマスター」は最初以外はパラパラとめくった程度ですが、どういう練習をしたら良いのかを考えるために「絵はすぐには上手くならない」という本を最初に読んでいます。

 

色々とネットでは有名な絵の上手くなり方についての本が紹介されていましたがどう見ても中級者以上向けのものばかり。

 

そんな中、「絵はすぐには上手くならない」はサラッと1時間程度で読めますし、モチベーションを上げる役割と訓練の方法を考える上で非常に参考になったと思います。

 

本の中では立体を捉えることの重要性が語られており推されていたのですが、時間的制約からデッサンは行いませんでした。

ですがいずれオリジナルの絵や人間以外を描くために練習したいなあと思っています。

 

本を読むのに1時間、基礎訓練で10~20分×14日間で合計4,5時間ほど。

 

模写にかける時間がだんだんと長くなっていったので合わせておよそ20時間の訓練です。

 

 

模写をして気づいたこと

 

基本にして極意。よく見る。

ほとんどこれが全てだと言っていいです。

上手く描けないときは思い込みで描いています。

目で見たものとスマホのカメラで取った画像がかなり違う感じがするのはこの思い込みのせいではないでしょうか?

 

お手本は大きくする。

よく見るための準備です。

スマホの画面よりPCに大きく映した方が細かいところまで観察できます。

お手本によっては小さいサイズの絵しかないこともあり、そういう場合は全画面に映し出すと画質が荒くなってしまうので大きい絵を探したほうが良いと思います。

 

模写は顔中心、胸より上を切り取ったバストアップだけでなく、全身の構図も描くべき。

バランスを取るのは難しいですが全身を描くと非常に力がついていくのがわかります。僕は1日おきに全身の構図とバストアップの絵を模写しました。

 

最初に輪郭とアタリをつける中心線を描く。

部分を描くというより全体を描くイメージがやはり大切です。

眼と眼がどれくらい離れているか、鼻と口、耳の位置は上手くみせるのに重要なポイントであることが描いているとよくわかります。

また、全体を見る重要性は顔だけに限りません。

身体は棒人間から始めてトイレの男性女性マーク、30秒ドローイングに服を着せた感じに進化させていくイメージで描くと良いです。

身体がどうなっているかを考えると腕の出ている位置がおかしくなるなど極端にバランスが崩れることがなくなります。

 

最後にペン入れっぽく重ねない線で仕上げる。

複数の線があると勝手に脳で補正して上手くなった気がしますが、実際にはそんなに実力はついていません。

最後にはっきりとした線でまとめると実はバランスがおかしいところなど課題が浮き上がって上達の近道になります。

 

時間をかけて丁寧に仕上げる。時間を計測して迷わずに手を動かす。

絵は見るのは一瞬ですが描き上げるのには時間がかかります。

僕の初日の駄目な絵でも30分くらいはかかっているのです。

しっかりと時間をかければじっくり観察することができ、それなりのものが出来上がります。

一方で今回は20時間という時間の制約があったため、スマホのストップウォッチ機能を使って切りの良いところで経過時間を確認することで自分にプレッシャーを与えました。

描きやすそうなここから描こう、難しいところはポイントだけ抑えて誤魔化そうなど色々考えるようになる上に手を止める無駄な時間が減るためこれは非常に効果があったように思います。

 

真正面の立ち絵は難しい

アニメの公式サイトなどで見れる設定資料的な全身絵は実はかなり難しいです。

構図が複雑だったり動きがあると誤魔化しが効くのですが、シンプルなだけに実力がはっきり出ます。

バストアップが上達を感じる一方で自信を何度か粉々に打ち砕かれました。

自信をつけたい・絵を描かない人に見せるときはバストアップ、実力を自分で確認するときは真正面の全身立ち絵を描くといいと思います。

 

アニメはお手本の宝庫

古い作品のキャラクターだと手に入るお手本に限りがあることが多いです。

一方、アニメは一時停止ができるので比較にならないほどお手本になる候補が多いです。

最近の作品だと作画も安定していることが多く、さらにTVやパソコンのディスプレイで大きく映し出せるので観察がしやすいのも利点。

アニメは多くの人が関わって作品が出来ているだけに「分かりやすい線」が非常に意識されていることがわかります。

漫画の表紙や設定資料と合わせて模写にはオススメのお手本です。

 

 

20時間で描いた絵の一覧

1日目:佐々木さん(涼宮ハルヒの憂鬱) 24分

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初日、思った以上の下手さに落ち込む。

 

2日目:コーネリアお姉さま(コードギアス) 24分

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目を頑張るとそれっぽく見える気がする。手が難しい!

 

3日目:セイバーことアルトリアちゃん(Fate) 30分

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ドレスの下がどうなっているか悩んだ。30秒ドローイングをした後だと何となく想像がつくように。

 

4日目:星こと趙雲(恋姫†夢想) 50分

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髪はパーツで部分に分けて描くことに。

お手本の重要性に気づく。

古い絵は流行の変化などで自分の感覚も変化しており厳しいかもしれないと感じる。

 

5日目:マミさん(魔法少女まどか☆マギカ) 47分

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汚れが残るのが不憫。

お絵かきのためにちょっと良い消しゴムとペンを買うことに。

 

6日目:夜一さん(BLEACH) 63分

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それっぽい絵。お手本がアニメ絵で描きやすかった模様。

最後にはっきりとした線を残すことを意識し始める。

相変わらず手は難しい。

 

7日目:御坂ママ(とある魔術の禁書目録) 63分

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真正面立ち絵の難しさに気づく。

本当はもっとスラッとしてます。

 

8日目:肉こと柏崎星奈ちゃん(僕は友達が少ない) 70分

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改心の出来。

お手本が描きやすかった。

目がそれっぽく描けるとそこに視線が向かうからか?

首まわりはバランスに不安が残る。

 

9日目:小学生の頃の八神はやてちゃん(魔法少女リリカルなのは) 74分

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古い絵は難しい再び。

水着が下着っぽく見えるが上達したのを感じる。

杖など小物は練習してないので非常に苦労した。

 

10日目:セシリアちゃん(インフィニット・ストラトス) 81分

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よく描けた。お手本が大きくて描きやすかった。

あとから見ると頭の上の方のバランスが崩れていることに気づく。

全体を見る重要性を改めて認識。

 

11日目:菊地真ちゃん(アイドルマスター) 84分

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アニメ絵は描きやすい。

全身入れるつもりだったが入らなかった。

ちょっと見切れてるくらいの方が構図としては良いのかも?

 

 

12日目:天城雪子ちゃん(ペルソナ4) 65分

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アトラス作品は独特の画風。

やはり目がそこそこ描けるとそれっぽい。

構図がオシャレで難しすぎた……。

 

13日目:鬼龍院皐月さま(キルラキル) 73分

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全身正面絵難しい。

目が失敗したのが大きく印象を損なっている。

御坂ママもそうだったけど自分はむっちりした脚が好きなんだな……。

 

14日目:ディーゼルさんこと今井みどりちゃん(SHIROBAKO) 55分

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アニメはお手本にしやすい説を確認するための絵。

線がくっきりしていて非常に描きやすかった。

時間も短くするのを意識。

 

15日目:佐々木さん(涼宮ハルヒの憂鬱) 55分

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リベンジ。

やはり目が重要。

しかしそれ以外の腕や服、髪なども学んだことを意識して描いたので全体的に良くなったと思う。

スカートは時間がないのに加え集中力がつきたので妥協した。

 

 

合計13時間20分ほど。

トイレに立つなどでストップウォッチを何度か止め忘れたので、実際は14時間から15時間程度かかっているはず。

 

 

いかがだったでしょうか?

上手い人からしてみればまだまだですが、たった20時間の練習にしてはそれなりに上達したと思います。

 

金銭的にはペン・消しゴム・本2冊とコピー用紙合わせて5000円もかかっていません。

これを機に絵が苦手だと感じている人は挑戦してみたら一つコンプレックスを解消できるかもしれませんよ。

 

ちなみにこのブログのアイコンは14日目が終了した時点で初めて挑戦した、アレンジ元があるなんちゃってオリジナルのデジタル絵です(オリジナルもデジタルも初)。

 

今後はデジタル絵、色塗り、デフォルメした絵、人以外(動物)、人以外(もの)、人以外(背景)などに20時間で挑戦していきたいと思います。

 

1,2ヶ月に1つずつくらい進んでいってそのうち漫画なども描けたら最高です。

 

ありがとうございました!

 

(以下、今回の挑戦にあたり実際に買ったもの)

練習前に方向性を決める、モチベーション維持に役立ちます。

下手でもいい、力を抜いて取り組む勇気をくれます。

紙は通販の方が楽です。

普段使わない0.4mmでイラストに合った線。描き心地抜群!

0.4mmは取り扱ってないことも多いので。

よく消えます。