英語の発音なら『英語耳』で勉強するのが良いってホント?
フォニックスっていう方法だと英語を話せるようになる?
この記事ではそんな人の悩みに答えます。
英語学習で一番悩むのが発音の勉強の仕方。
単語や文法なんかは本を読めばかなり一人でも覚えられます。
でも発音ってなかなか一人だと勉強しにくいですよね。
そんな学びにくい発音の中でも『英語耳』という参考書とフォニックスという学習法はどちらも人気があります。
気になるのは、発音を学ぶなら『英語耳』とフォニックスはどちらが優れているのかという点ですよね。
この記事では『英語耳』とフォニックスを徹底的に比較してどちらがどんな人におすすめなのかをまとめます。
読むのが面倒な人のためのまとめ
- 英検2級・TOEIC600点レベルまでならフォニックス!
- 『英語耳』は発音記号をしっかり学びたい人向け!
- 『英語耳』よりおすすめの発音記号の本がある!
『英語耳』のメリット・デメリット
『英語耳』のメリット
発音記号を学びたい初心者向け教材の定番
『英語耳』は発音の中でも発音記号を学ぶ教材の定番です。
それぞれの発音記号について、
- 口や舌の形の断面図
- 発音のポイントをまとめたシンプルな文章
- 単語での練習
を通してわかりやすく解説されています。
もちろん発音や単語にはCDの音源がついています。
古いバージョンは2004年、改訂版は2010年が発売日で、長く発音記号を学びたい初心者向け教材として定番の地位に立ち続けています。
今だと他におすすめの教材もありますが、『英語耳』も発音記号を学びたいなら最初の教材としては悪くありません。
現在でも発音記号オススメ教材ベスト3には入ると個人的には思っています。
『速習 英語耳』『単語耳』といった関連教材がある
発音記号の基礎は『英語耳』で学べますが、実際に発音記号を使いこなそうとすると実践的な練習が必要です。
『英語耳』の場合、次にやる教材として文章の中でリスニング・発音を鍛えていく『速習 英語耳』や英検準1級以上の単語までカバーする『単語耳』がシリーズとして出ています。
同じ著者の書籍なのでスムーズに発音記号を実践的なレベルまで引き上げるのに教材に迷うことがありません。
特に『速習 英語耳』はシャドウイングやリスニングの最初の練習素材としては単語のレベルや長さがちょうど良くておすすめの教材です。
口の中の形が図でハッキリ分かる
発音記号を学ぶ教材ではほとんどのものが口の中の形を図で示してくれています。
『英語耳』も発音記号ごとにしっかりと口の中、舌の動きも含めた断面図が載っているのですが、この説明がかなり丁寧です。
耳から音を聞いて真似するだけだと、どうしても日本語の発音に引きずられる部分がでてきてしまいますよね。
そんな自分にとっての苦手な部分を発音記号ごとに舌の動きなどを確認しつつ学ぶことができるのは『英語耳』の大きなメリットの一つです。
『英語耳』のデメリット
独学するには難しい?
そもそも発音記号はどうしても独学では学ぶのが難しいです。
真剣に取り組めばある程度はうまくなりますが、本だけでネイティブ並みまで上達できる人は少ないでしょう。
とはいえ『英語耳』は、
- 発音記号ごとに具体例の単語を使って解説・練習
- 丁寧な図と文章での説明
- 使いやすいCDの同梱
と独学のハードルをかなり下げてくれています。
それまでの発音の参考書と比べると画期的な本だったんです。
スクールに通うのはどうしても独学に比べると非常にお金がかかりますよね。
まずは『英語耳』を中心に基礎練習。
あとはYoutubeの無料動画で気になった部分を確認して練習するだけでもかなり発音を上達させることができます。
『英語耳』は売ってない?売り切れてる?
これは大きな勘違いで、チェーン展開しているある程度の大きさの本屋さんならだいたい英語コーナーに置いてあります。
Amazonでも新品・古本ともに扱っていますし、メルカリやブックオフなどでも良く出品されています。
ブックオフなんかだと置いてあるのが改訂版じゃなくて古いバージョンだったりすることが多いですが、実はそれほど内容は変わりません。
本格的に取り組むかどうかは別にしてちょっと試してみたいという人は古本で軽く練習してみると良いかもしれませんね。
『英語耳』は効果がない?
英語の勉強の中で発音が文法や単語といった他のものと決定的に違う部分があります。
それは、
- 本を読むだけではほとんどうまくならない
- 練習が必要
ということです。
『英語耳』を読んだのに効果がないという人は、声に出して発音の練習をしていない可能性が高いと私は考えています。
きちんと練習しているのに上手くならないという人は、
- 本に書かれたアドバイスを無視して自己流の意味のない練習をしている
- 自分の音声を録音したり修正ポイントの確認が不足している
- 本とCDだけで上達できる初級レベルが終わった
のいずれかではないでしょうか。
音楽で言うところの「耳の良さ」のようなセンスの差は多少なりとも発音に関してはあると思います。
正しい音だと毎回確認して練習するのも確かに昔は難しかったですしね。
ですが今ならスマホの存在が効率的な練習を助けてくれます。
本のアドバイスとCDの音に集中し、スマホで発音を確認しながら声を出して練習を積み重ねれば初級レベルは身についたと自信が持てるはずです。
100周200周も取り組む必要はありませんが、それぞれの単語を10周くらいは練習する量は必要ですよ。
フォニックスのメリット・デメリット
フォニックスのメリット
学びやすい
フォニックスはアメリカの小学校1年生などの発音の練習に実際に使われています。
日本語だとひらがなやカタカナなどは書くことがメインですが、英語は音が大事なので発音もしっかり学ぶんですね。
小学校1年生が実際に学んでいるくらいですから、大人や中学生以上であれば難易度としては難しくありません。
『英語耳』も含めて発音記号の練習に比べると一人でも非常に練習しやすく、学びやすいのは大きなメリットと言えるでしょう。
ルールがわかりやすい
具体的にどう学びやすいかと言うと、アルファベットが単語で使われているときの読み方のルール・規則性がはっきりしているのがわかりやすいのです。
基本的に英語の発音で日本人が一番混乱するのは、小学校で習ったローマ字読みや基本的なアルファベットの読み方と英単語の読み方が違っているからです。
フォニックスを学ぶとアルファベットと単語の間の橋渡しになってくれます。
70%以上の単語は基本的なフォニックスのルールで読めるようになると言われているのです。
例外はあるんですが、基本的な単語に多くて何度も出てくるうちに慣れたりすることが多いのでそれほど気にならなかったりします。
進歩がわかりやすい
発音記号の上達が自分だとわかりにくいことも多いのに対して、フォニックスはルールがシンプルなので上達もわかりやすいです。
上達するのがわかると練習もどんどん進めようという気持ちになりますよね。
つまり初心者のやる気の面から見てもフォニックスは優れているのです。
フォニックスのデメリット
効果がない?
『英語耳』でもあった練習していないから効果がないという話はフォニックスでも同じ用に言えます。
発音はどうしても本を読むだけではなく、スポーツのように練習が必要です。
さらにフォニックス特有の批判としては、覚えたとしても全部の単語が読めるようになるわけではないというものがあります。
フォニックスのルールの例外としては、
- 中学で習う基本的な単語の多く
- 英語以外の単語が英語化したもの
- 歴史的な経緯でスペルが変化しているもの
の3種類で全体の30%くらいがルールに当てはまらないと言われていますね。
「英語以外の単語が英語化したもの」は例えば、
- themeのようなラテン語からきたもの
- souvenirのようなフランス語からきたもの
- allergieのようなドイツ語からきたもの
などがあります。
英語以外から英語になったこういった単語は発音記号を学んでも覚えにくい単語ですので、フォニックスが特別劣っているというわけではありません。
一方で、「中学で習う基本単語の多く」は実は「歴史的な経緯でスペルが変化したもの」だったりします。
someが古い英語だとsumだったみたいなやつですね。
基礎レベルのうちは混乱するかもしれませんが、何度も出てくる単語が多いのでそのうちに慣れてしまうことが多いです。
フォニックスは確かに完璧な学習法ではありませんが、初心者のうちは非常にメリットが多いこともまた確かなのです。
フォニックスは子供向け?
アメリカの小学生が実際に学んでいたり、日本でも一部の小学校で導入されるなど少し子供向けに思うかもしれません。
一部の教材が非常に子供向けに作られているのでイメージが幼稚に思うかもしれませんが、子どもでも身に付けられるという点では効果は確かです。
記事の最初に紹介した参考書などは大人でも普通に使えるので、自分に合った教材を見つけるとよいかと思います。
恥ずかしいという気持ちは発音を鍛えようと思っている人にとって一番の壁です。
あえて子供向け教材に真剣に取り組むというのも悪くないですよ!
結局いつか発音記号を学ぶなら遠回り?
フォニックスだと全ての単語を読めるようにはならない。
結局、全ての単語を読むためにいつか発音記号を学ぶならフォニックスは遠回りで効率が悪いという批判があります。
これはある程度は理にかなっていますが、人によって目指すレベルが異なることを無視しています。
実際のテストを見てみると、高校受験レベル~英検2級くらいまでのレベルならフォニックスの発音で十分です。
むしろ発音記号に時間をかけてもすぐにリスニングができるようになるわけではないので、効率が悪くなってしまいます。
大学受験でも一部のトップ校を目指す以外はフォニックスで足りる場合が少なくありません。
5点から10点くらいの多少の点数の積み重ねにはなりますが、大学受験はリーディングの能力を中心に問われるからです。
また、フォニックスを学ぶことで発音記号の勉強がしやすくなる効果もあるのは忘れないでおきたいところ。
いきなり発音記号だと難しいという人の準備運動にもフォニックスは非常に力を発揮するのです。
『英語耳』とフォニックスの比較
英検2級・TOEIC600点まで、英語が苦手な人が学ぶならフォニックス
初級~中級レベルまでなら『英語耳』よりフォニックスを学ぶのがおすすめです。
目安のレベルを詳しく言うと、
- 英検2級まで
- TOEIC600点くらいまで
- 大学入試で偏差値60くらいまで(GMARCHくらい)
といった感じですね。
この中でも大学入試に関しては偏差値だけ判断するのは少し難しいです。
一部の英語を重視している大学でリスニングの量が多かったり難しめだったりする場合は、文章の中での音の変化が理解できないと不利になります。
英語は学生時代苦手だった、あるいはこれから勉強を始めたいという人はフォニックスの本をだいたい大丈夫かな?と思えるくらい軽く練習するのが良いでしょう。
仕事で英語を話す、映画やドラマを楽しみたいなら『英語耳』
逆に、一定以上のレベルや速度を求められるなら『英語耳』のように発音記号をしっかり学ぶのがおすすめです。
目安のレベルを言うと、
- TOEIC700以上、英検準1級、ビジネス英語
- 映画やドラマを楽しむ
- ネイティブとの日常での速い英会話
といった感じです。
また、大学入試でも英語科だったり高度なリスニング力が求められる場合は発音記号を学んだ方が良いでしょう。
受験勉強で英語は得意だった。学びなおして仕事や趣味できちんと会話やリスニングができるようになりたいという人には『英語耳』は良い選択肢です。
発音記号を学ぶなら『英語耳』より『完全版 超低速メソッド 英語発音トレーニング』がおすすめ!
発音記号を学ぶのに『英語耳』は悪くない教材です。
悪くないどころか、改訂版の出た2010年から2015年くらいまでは市販の教材の中では一番良いものだったと言っても過言ではありませんでした。
ただ、年が経つにつれて新しい良い教材が出てきていることも事実です。
私が試した中では『完全版 超低速メソッド 英語発音トレーニング』という教材が『英語耳』よりも優れていると考えています。
この教材は、
- DVDでネイティブが発音している所を見れる
- 発音を非常にゆっくり行ってくれる
- 単語だけでなく文章中での発音の変化も結構分量を割いて解説している
ところが良い点です。
特に文章中での発音の変化は『英語耳』よりもかなり詳しく書いてくれてあります。
中級レベルのリスニングの準備になってくれるので良いですね。
悪い点は1つだけ。
- とにかくDVDのネイティブの顔が濃い
ことです。
笑ってしまうような欠点ですが、最初はこれ結構気になります。
というか、5周以上しても結局最後まで気になりました(笑)。
それでも音だけではなく口の動かし方を動画で見れるのは大きいです。
他にも『英語耳』よりおすすめできる教材はいくつかあります。
ですが音声だけでなく動画もある手近な教材はありません。
やはり『超低速メソッド』がおすすめです。
最近のノートパソコンだとDVDドライブがついていないことも多いので、その点は注意が必要ですね。
安いものは2000円くらいで大手メーカーのものが買えるので必要なら合わせて準備すると良いです。
大手のPC周辺機器メーカー、バッファローのUSB接続DVDプレイヤーです。安心して使えます。
まとめ
- 初心者はフォニックスから取り組むのがおすすめ!
- ハイレベルを目指すなら発音記号は必須!
- いまなら『英語耳』より情報の多い『超低速メソッド』という教材がおすすめ!
発音は英語学習の中でも基礎の基礎ながら日本人が非常に不得意にしている部分です。
発音記号を学ぶにせよ、フォニックスを学ぶにせよ学校では不足していた練習をしっかり積んでいきましょう。
発音に自信が持てるようになれば、英単語を覚えたりリスニングのレベルも自然とアップします。
自分のレベルと目標に合わせて適切な教材を選んで少しずつでも進めていきましょうね!
ちなみに以前に発音も含めて英語を集中して勉強したことがあります。
『英語耳』より後に出た教材だけあって情報が多く、DVDで動画も見れるのでこちらが非常におすすめです。
改訂版と古い版は内容にそれほど大きな差はありません。手に入れやすい方を使うのが良いでしょう。
フォニックスは子供向け教材が多いですが、こちらは中学生以上や大人でも気にせず使えるデザインです。