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ビジネス書とか漫画のマッチョ過ぎ問題

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どうも、タイヘイです。

 

出版不況が叫ばれていますが、相変わらずビジネス書は売上ランキングに数多く入っていたりして人気ですね。

 

漫画でも『ドラゴン桜』の作者である三田紀房先生を始めとしたビジネス書の要素を取り入れた作品や、アニメだとアニメ業界を描いた名作『SHIROBAKO』などお仕事物が以前よりも増えました。

 

ただ、最近思うのです。

 

作品のキャラクターとか話の流れがマッチョ過ぎじゃない?

と。

 

普段聞く意味とは少し違う、この場合のマッチョの意味も含めて説明していきます。

 

 

そもそも少佐がマッチョ過ぎる件

SFの金字塔、『攻殻機動隊』のTVシリーズの中で草薙素子=少佐は数多くの名言を生み出しました。

 

その中でもアンドロイドを自分好みの女性として愛する青年を皮肉ったのが、「マッチョよね」というセリフです。

 

この場合のマッチョはもう古くなりつつある男性中心主義的な考え方のことをさしています。

 

でも、劇中で同僚のトグサに突っ込まれていたけど少佐もマッチョなのです。

 

少佐がマッチョというのは公安組織という男性社会の中で、他の男に負けないどころか勝るほどの活躍を見せていることが理由。

 

この少佐とトグサの指すマッチョは微妙に意味合いが違うのですが、僕が気になっているのはトグサの言う方のマッチョの方です。

 

少佐にはこの「マッチョよね」というセリフの他にも、

「世の中に不満があるなら自分を変えろ!それが嫌なら、耳と目を閉じ、口をつぐんで孤独に暮らせ!」

という名言があるのですが、これってマッチョ過ぎると思うのです。

 

少佐はたまに息抜きもしているようですが、基本的にはワーカホリック気味です。

それは彼女が公安という男組織の中で生きていくために身に着けた、いわゆる「男らしい」思考からきているのではないでしょうか。

 

このことから男性中心主義と同じく、古くなりつつあるモーレツ社員的な働き方のこともマッチョであると言えるのではないだろうか?

とふいに思ったのです。

 

漫画やアニメにはモーレツ社員=マッチョが多すぎる

少佐だけでなく、さまざまなビジネス要素の入った作品の中には数多くのマッチョなモーレツ社員がいることに気づきます。

 

『ドラゴン桜』の桜木建二は弁護士業だけでなく学校の再建のために教師としても働きますし、『SHIROBAKO』の中ではアニメーターの絵麻ちゃんはもちろん制作進行のみゃーもりも描写とアニメ業界ということを考えるとかなり残業が多そう。

 

スポーツ系だとスポ根的な指導とか練習ですね。

 

『巨人の星』の大リーグボール養成ギブスをはじめとして『スラムダンク』の2万本ジャンプシュートとか。

このあたり、時代が進むに連れてやらされている感のある練習から自主的な練習にシフトしていますが、基本的にはめちゃくちゃ頑張るという点では同じです。

『MAJOR』とか『BE BLUES!〜青になれ〜』だと主人公が強豪校の練習の後で自主練習をして周りを驚かせたりしています。

 

バトル系の作品でも修行シーンってかなり多いです。

 

『ドラゴンボール』の重力をコントロールできる部屋での修行とか精神と時の部屋は有名ですし、『HUNER×HUNTER』なんかは地味に作中の半分くらいは修行シーンじゃないでしょうか。

 

特にネテロ会長の感謝の正拳突きなんかはマッチョの極み。

 

そこまでいかないにせよ、マッチョなキャラとか展開ってめちゃくちゃ多いと思うのです。

 

現実とのギャップとお手本になる野球漫画『ラストイニング』

漫画やアニメだとわかりやすさやインパクトを重視してキャラや展開がマッチョになりがちなのはしょうがない面もあります。

 

作品がスタートした時点ではド素人だったり弱い主人公が、後々強敵を倒したり問題を解決するために一定の説得力が必要になるからです。

 

ただ、創作ならともかく現実がこの流れになっていてつら過ぎると思うんですよ。

 

1日8時間働くと1ヶ月20日で160時間になります。

これは正社員の基本的な労働時間の基準だと思うのですが、今って残業合わせて200時間以内だとホワイト企業みたいになっている感があります。

 

定時で帰れない文化とかも問題だと思うんですけど、ビジネス書が出している解決法の8割くらいが「もっと頑張って出世して仕組みを変えろ」なんですよね……。

 

これは長期的な解決策で、短期的には「仕事をもっと好きになれ」も同じことを言っていると思います。

 

どう考えても漫画とかもこれに引っ張られている感じがするのです。

 

悪いことを言っているわけではないのですが、それって全員に行き渡る解決方法じゃないよね、とも思ったり。

 

副業とか投資の方向に進むと不労所得とか、働かずに稼ぐとかうさんくさくなるわけですがちょうどいい塩梅の解決方法がほしいと思うのです。

 

具体的に労働時間でみると、

 

240時間以上:仕事を好きになる、ビジネス書や漫画ではマッチョ化して権限を持ったり猛練習するのを薦める

160~240時間:普通の仕事の時間。デフォルトなのであまり触れられない

0~40時間:怪しい副業系の誘い文句。創作だと『笑ゥせぇるすまん』とか成功した後に失敗する自業自得系

 

にまとめられます。

 

これを見ると分かるのですが、「100時間前後のバイトくらいの労働時間だけどそこそこの成果を出す」枠がないんですよね。

 

マッチョに頑張って大成功するのが一部だとするなら、大部分の普通の人が幸せになるにはこの部分がもっと充実する必要があると思うんです。

 

 

で、なかなか見つけるのが難しかったんですが参考になりそうな作品が野球漫画の『ラストイニング』です。

 

元高校球児の怪しげな商品を売る優秀な営業マン鳩ヶ谷ことポッポが弱小高校野球部の監督になる話なんですが、このお話はスポ根的な要素が少なめなんですよね。

 

そこそこの球速のピッチャーが一人いる他は最初はチームにスター選手もいません。

勝つために裏技で四番打者を連れてくるくらいはするんですけど、基本的には練習も試合も頭を使って勝つ感じです。

 

その分、後半で1度だけ出てくるスポ根的な要素がすごく印象的だったりするのは余談。

 

練習では生徒の性格に合わせた指導というか扱いをしたり、規則で試合が禁止されている期間に抜け道を探して経験を積んだりします。

 

野球漫画だと『おおきく振りかぶって』も練習を効率的にしていますし、メンタルトレーニングなんかはかなり取材して描いていますがリアルに活かせそうなのは『ラストイニング』の方だと思います。

 

あとは『ONE OUTS』とかも豪速球じゃないピッチャーが頭を使って勝つ作品でオススメです。

 

先にあげた労働時間を練習時間とみなすと、紹介した作品は160~200時間くらいな感じ。

許される練習時間を効率良く使って、足りない部分を頭を使って埋めて大きな成果を出すという感じですね。

 

これを上手く応用すると、100時間前後の労働時間でそこそこの成果を出すことに繋がっていく気がします。

 

スポーツとかだとそこそこの結果を求める作品って作りづらいと思うので、リアル寄りのビジネス漫画でそういうテーマのお話が読みたいなあと思う今日このごろ。

 

ありがとうございました!

 

 

アニメ化されてないけど地味にオススメな野球漫画『ラストイニング』。

44巻完結で読み応えがあるのに中だるみが少ないテンポの良さが売りです。