どうも、タイヘイです。
昨年の台風被害によりじゃがいもの不足が原因ということでピザポテトの休売が発表されましたね。
僕としても大好きなお菓子なので残念に思っています。
ただ、人気商品なのに量を減らして製造とかじゃなくてきっぱり休売にするのがすごく気になったんですよね。
そこでマーケティングの面などからもピザポテトが休売になった原因を深掘りしてみようと思います。
ビッグサイズのみ取扱中止では駄目なのか? カルビーの圧倒的なじゃがいも消費量
ピザポテトは1992年から親しまれてきたロングラン商品です。
消えていく新製品が多い中で25年以上も作られていることから知名度もかなりのもの。
しかしずっと同じというわけではなく、チーズの配合など味のマイナーチェンジを繰り返してパッケージも徐々に時代に合わせて変化しています。
おそらくかなりの割合の人が1度は食べたことがあるのではないでしょうか?
今回休売になった原因は冒頭でも話したように台風による原材料のじゃがいも不足とされています。
しかし実はそれだけではないと僕は考えているのです。
というのも、実はピザポテトはコンビニとそれ以外(スーパー)などで違ったサイズの製品が売られていたりする特殊な商品だからです。
え?
と思った方もいると思います。
味などは同じなのですが、内容量が実は77gとコンビニ以外の63gよりちょっと多いのです。
値段はコンビニだと155円、近所のスーパーだと139円でした。
量を比べると特売でない限りは実はコンビニで買ったほうがお得なこともあるんですね。
買えなくなると言われると欲しくなるのが不思議な人情ですが、量が普通サイズの倍くらいのBIGピザポテトや明太マヨ味などのスタンダード以外のフレーバーを止めるだけでは不足をカバーするのに足りないのでしょうか?
今回はすべてのフレーバー、サイズのピザポテトが休売することになっています。
カルビーのじゃがいも確保に関する記事を読むと実はカルビーがピザポテトを含む製品のために日本のじゃがいもの1割を調達しているという驚くべき事実を知ることができます。
じゃがいも白書によるとポテトチップスはフライドポテトなどの加工食品に匹敵する非常に大きなじゃがいもの消費量だと言われていることからもこれがかなりの量だということがわかりますね。
上の記事ではカルビーがビッグデータを活用してじゃがいもの安定供給に力を注いでいることがわかりますが、やはり国内の1割をも占める量を確保するのは大変なのでしょう。
この「ポテトチップスに使われるじゃがいもの量はめちゃくちゃ多い」という前提の上で、やはり激甚災害にも指定された台風の影響が一番強かったのは間違いないです。
その上で、やはりそれ以外の理由もありそうだということを次の項で見ていきます。
製造コストを堅揚げポテト・カラビーと比較して考える
ここで一つ考えられるのが、他の製品に比べて製造コストが高く利益が出にくいから休売になったという説です。
例えば100円の商品を作るのに20円しかかからないのと50円かかるのではもうけに30円の差が出てしまうのでえす。
オーソドックスなポテトチップスとはおそらく生産されている数などの条件から比べにくいので、主軸から少し外れた特徴のある製品の代表として(さらにフレーバーによって同じく休売になっている)堅揚げポテトとカラビーと比較してみましょう。
堅揚げポテトは和風系のフレーバーが多い歯ごたえのある揚げ方で仕上げたのが特徴の商品です。
今回の発表で地方限定フレーバーの多くが終売、スタンダードなフレーバーでもブラックペッパーが休売、うすしおもBIGサイズは休売になります(休売はいつか販売を再開する、終売はもう二度と販売しないということですね)。
カラビーはピザポテトに近いタイプの商品です。湖池屋のカラムーチョなどに近い辛い系の味付けをしてあります。厚切りタイプだとポテトチップスの形状を表面がギザギザになるようにカットしてあり非常にピザポテトに似た食感です。
今回、実はひっそりとこのカラビーの厚切りホットチリ味が休売ではなく終売となっています。
ピザポテトは2種類のチーズを使った濃い味付けをしています。さらに形状は厚め、表面がギザギザにカットされています。
さて、各商品の特徴を見たところでそれぞれの商品を詳しく比較していきましょう。
見るポイントは揚げ方、じゃがいものカットの仕方、味付けの3種類です。
揚げ方は温度や揚げ時間だけで食感を変えられるなら堅揚げポテトもピザポテトもカラビーもコストはあまり変わらないと考えて良さそうです。もし特殊な油や釜を使う必要があるなら堅揚げポテトが他よりコストがかかりそうですね。
じゃがいものカットはオーソドックスなポテトチップスと同じ形の堅揚げポテトとカラビーに対し、ピザポテトとカラビーの厚切りタイプは表面がギザギザになっています。これはカットする機械の刃や削り方を普通のものと変えたりする必要があり、コストがかかりそうです。
味付けは期間限定や終売になるものを除くと堅揚げポテトはオーソドックスなうすしおとのりが残り、主力タイプのポテトチップスの味付けを流用できます。一方ピザポテトとカラビーは主力タイプと味がダブらないので流用ができません。
量が増えるほど一般に単位あたりのコストは下がるので、ピザポテトとカラビーの味付けはコストがかかっていそうです。
こうして見ると、ピザポテトはポテトチップスのカットの形状と味付けの2つの面においてコストがかかる商品だということがわかります。
コストがかかるピザポテトを減らしてでも、普通のポテトチップスを足りない分を補うようにいつもの年と同じ量作った方が企業として利益を得られるという判断がなされたのではないでしょうか?
マーケティングで見るピザポテトの競合商品の多さ
そしてピザポテトはさらに休売になる要素として、競合商品が多いことが考えられます。
そもそもオーソドックスなポテトチップス(うすしお、のりしお、コンソメパンチなどのメインのラインナップ)に比べるとピザポテトは本流というより支流の商品のはずです。
例えばうすしおやのりしお、コンソメパンチなどが合わせて90売れるとしたらピザポテトは多くても10くらいしか市場規模がないと思います。
もう少し売れている気がするかもしれませんが、客観的な判断の根拠として使えそうなお店の棚の面積で言ったら1割でも多いくらいです。
さらにこの、本流以外の特徴のある製品というのは競合商品が多くあります。
カラムーチョやわさビーフ、プリングルズのサワークリームなど濃い味付けのタイプとお客さんを取り合っているとすれば知名度はあってもそこを頑張るよりメインのラインナップに注力したほうが全体として会社の利益になると考えたのではないでしょうか?
さらに、今回地域限定以外にも先にあげたカラビー厚切りホットチリ味が終売になっていることもこの説の根拠となると思います。
また、じゃがりこは原料にじゃがいもを使っていながら休売にも終売にもなっていません。
こちらは形状がポテトチップスは異なる溶かして固めたような作り方をしていることが考えられたり、そもそもポテトチップスではなくプリッツやポテロングなどと競合する商品でマーケティング的には別の地位にいることなどが理由だと考えると説明がつきます。
いかがだったでしょうか?
ピザポテトが休売になったのは台風の影響が1段目の土台にあるとしたら、2段目に生産コストとマーケティング上の戦略があると考えるとしっくりきませんか?
既に一部オークションなどで通常より高く転売されていますが、近くのスーパーを見る限りではそれなりに在庫はあるように思います。
ロングラン商品として知名度も高いので休売もずっと続くとは思いませんし、自分が最近食べた数を考えていくつか確保すれば十分ではないでしょうか。
ありがとうございました!