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レシピの奥にある真実に気づいた。料理研究家、土井善晴さんのすごさ

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こんにちは。大学時代はきんぴらごぼうを作る系男子だったタイヘイです。

 

最初の10kgの減量に成功し、次の10kgを減らすダイエットセカンドシーズンが始まったのですが少し気が緩んだのか中々進まない日々が続いていました。

 

そんな過日、ある料理研究家の方を知ったことで「今僕に必要なのはこれだ!」と衝撃が走りました。

 

その方の名は土井善晴さん。

NHKきょうの料理」にも出演していらっしゃる家庭料理研究家の方です。

 

今日はそんな土井善晴さんがなぜすごいのかと、彼の考えを元にした新しいダイエット方法について紹介しようと思います。

 

 

 

衝撃的だった「まな板の拭き方」と「唐揚げの味付け」

 

最近では冷凍食品やスーパーのお惣菜のレベルは2,30年昔と比べると飛躍的に上昇しました。

そういった事情もあり家での料理は廃れていくという声もあります。

ですがクックパッドなどで簡単にレシピを調べることが出来たり、動画で魚の捌き方をすぐ確認出来ることも考えると廃れる一方でもないのかな、とも思います。

 

僕自身、実家を出る前はほとんど料理は学校の調理実習くらいでしかしたことがありませんでした。

一人暮らしを始めてからは安く美味しいものが食べたいと思うようになり、スマホでレシピを見ながら慣れない自炊に少しずつ挑戦し始めたのがもう結構前のことです。

 

カレーってルーを買ってくれば意外と簡単に作れるとか、揚げ物は形を整えるだけなら面倒ではあるけどそこまで難しくないとか、肌が弱いので洗い物にゴム手袋は必須だとかそういうことにも気づきました。

 

続けていれば上達するもので、ちょっとオシャレにパエリアとかトマト缶からミートソースを作ったり、きんぴらごぼうなどの自炊しない人から見たら「おっ」となる料理もそれなりのものが作れるようになりました。

 

しかし、そんな僕のちょっとした自信は土井善晴さんのある動画を見て木っ端微塵に打ち砕かれることになったのです。

 

そんな衝撃の動画がこちら。

 

www.youtube.com

 

多くの人が大好きな「鶏のから揚げ」の料理動画です。

ここで僕が衝撃を受けたのは大きく2つ。

 

動画の2分くらいから話されている、

「まな板の拭き方」とその直後の「唐揚げの味付けにしょうゆをどれくらい使うか」の部分です。

 

「揚げ物の温度管理」とかも気になる点ではあるのですが、それ以上にこの2点は表面的ではない料理の本質をついているように感じたのです。

 

簡単に言ってしまうと、「まな板の拭き方」は

料理初心者のアシスタントさんに対しての

鶏肉を縦に切ったのだからまな板を拭くときも横に布巾を動かすのではなく

縦に布巾を動かさなければ汚れは取れないというアドバイス

 

「唐揚げの味付けにしょうゆをどれくらい使うか」は

揚げる鶏肉に対して自分が食べるならどれくらいしょうゆをかけるか考えろ

というものです(刺し身にしょうゆをどれくらいかけるかとかそういうイメージ)。

 

……これまで僕は料理を

「ネットでそこそこ信頼度の高そうなレシピを探す」

「レシピを変えずにそのままで一度作ってみる」

「美味しかったどうかをメモしておいて少しずつレシピを自分向けにアレンジする」

という手順で憶えてきました。

 

ただこのやり方だと「個別の料理に対するレシピの完成度」というものはあっても「料理の基本」みたいなものは実は備わっていなかったように思うのです。

 

もちろん、調理器具に対する慣れとか調味料を組み合わせてどういう味になるとかそういうのはある程度身についています。

 

ですが「考え方」という点において言えば僕のレベルはおそらく全然大したことがない。

 

土井さんのこの動画を通して「レシピの奥にある真実」みたいなものがあるのではないか? と初めて考えるようになったのです。

 

 

「一汁一菜で良いという提案」の裏には「ハレとケ」という考え方がある

 

土井さんを上の動画で知った後、彼について経歴やネット上で確認できる動画などを可能な限り調べました。

そこでたどり着いたのが「一汁一菜で良いという提案」という本です。

 

僕にとってはkindleを使うようになって久しぶりに買った電子書籍ではない紙の本。

 

家庭料理のおおきな世界。 - ほぼ日刊イトイ新聞

 

この本も含めた基本的な土井さんの考え方は上のリンクで公開されている糸井重里さんとの対談で語られています。

 

対談で語られている「ハレとケ」というのはお祭りのような特別な日とそれ以外の普通の日があるという考え方です。

 

そして土井さんは料理についてもそれが当てはまるのが本当ではないか? という提案をされています。

 

これが高校時代に柳田國男にハマった僕のど真ん中にズバリと決まりました。

 

ご飯と具だくさんの味噌汁とお漬物があれば栄養的には十分なんだよというのが土井さんの提案の主な内容です。

 

それだと手を抜きすぎではなないか?

と思われるかもしれませんが、僕はそうは思いません。

 

僕の今年2月のある日の食事はご飯、サラダ、豚肉の生姜焼き、味噌汁でした。

これはこれで美味しいしバランスも良くて悪くないのですが、このときは毎日決められた食事をただなんとなくしている感がぼんやりあったのです。

 

これに対して、今年1月のある日の食事はご飯、モツを煮込んだ味噌汁でした。

この味噌汁は豚汁の豚肉の代わりにモツが使われているといった感じのもので、モツ以外にも人参や大根、ごぼうやネギなど様々な野菜が含まれていました。

 

これくらいたくさんの食材が含まれていると栄養面としても悪くないはずですよね。

 

そして、1食ぶんだけでは具材の多さからちょっと手間がかかるのでこの味噌汁は大量に作られ、実に4日ほどこの「ご飯と味噌汁」をメインとした食事が続いたのです。

 

ですが飽きることはありませんでした。

 

3日目は納豆を、4日目は目玉焼きを別につけましたが、飽きたというよりはもう少し何かタンパク質が食べたいと思ったので手間がかからないものを添えたという意識に過ぎません。

 

面倒だという意識がまったくなく、ただこのときの食事にはささやかな喜びだけがあったのです。

 

これはかなり印象的で、その日の身が引き締まるような部屋の寒さまでを今でも記憶しています。

 

初めてピザを自分で焼いたり、自分で動画を見ながらアジをさばいてアジフライにしたり、クリームソースを小麦粉とバターから作ってミラノ風ドリアを作ったときのような「特別な食事」のことは覚えています。

 

ですがこのときのように「なんでもない食事」のことを覚えているというのは僕にとって非常に珍しいことです。

 

「土井さんが言ってたのは、あれか……!?」

 

直感としてこの考え方は自分に合っているのではないかと思いました。

そして、これはダイエットにも使えるのでは……?

と気づいたのです。

 

 

美味しいものを食べたい気持ちと楽をしたいという気持ち

 

食事にはその人の価値観が現れます。

まずくなければ良い、それよりも他のことに時間を使いたいという人もいればランチを毎日楽しみにしていたり趣味が食べ歩きの人も少なくありません。

 

僕は美味しいものは好きだけど、お金はあまり使いたくないというタイプの人間です。

 

手間を考えると、2週間から長くて1ヶ月程度のローテーションを組める基本的な献立2,30が基本。

それをそこそこのレベルに持っていきたいというのが今までのぼんやりした食事に対する考え方でした。

 

しかし、おそらくここ最近のダイエットセカンドシーズンがあまりうまく行っていないのは「手間」に対する評価を軽くしていたからではないか? と思うようになりました。

 

今の僕は働いていないため時間はあります。

 

ですが少しずつ読書や絵の練習の時間などやることを増やしたため、料理はご飯を多めに炊いて冷凍にしたり、サラダや味噌汁は2食分を1度に作ったり、メインのおかずも多めに作ってタッパーに保存したりして全体の調理時間を短くする工夫をするようになっていました。

 

その結果、確かに料理に関する時間は総量で見れば減りました。

ですが地味にプレッシャーのようなものが頭の後ろにある感覚が出てきたのです。

これは仕事を辞めたときに比べれば全然ですが、辛い時期の感覚の一歩目に近いものがあるように感じました。

 

そして少しずつ無理が出て体調を大きく崩し、1週間以上まともに動けない日々。

 

今はほぼ回復しましたが、体調を崩す前までの今ならたいていのことは出来る、午前3時4時くらいまで無理しても10時くらいまで寝れば大丈夫という勢いは完全に消えてなくなりました。

 

続けるためには無理をしないことが大事というのが回復した今の僕のテーマでもあります。

 

そして、それを考えたときに土井さんの「一汁一菜」は極めて優れた考え方です。

 

僕の場合なら1日メインの食事は2回。

 

この場合のカロリーはかなり多めに見積もっても、

ご飯が0.5合で270kcal程度、ネットですぐ出てくる豚汁のカロリーが250kcal程度なので量に気をつければもう少し豪華にしても合計で600kcal、700kcalは超えないでしょう。

 

2食で1200~1400kcalです。

これは僕の目標とする体重の基礎代謝程度に匹敵し、

運動をしなくてもこの食事だけでいつかはダイエットが成功することを意味しています。

 

実際には家事やちょっとした運動でもう少しカロリーを消費するため、

もう1品余分につけたり補食としてヨーグルトなどを食べたり少量のおやつなら問題はないはずです。

 

美味しいものを食べたいという気持ちと楽をしたい気持ちがあるのは人間として両方持っていて当然のこと。

 

ダイエットにとって重要なのは短い期間を全力ダッシュすることではなく、ゆっくりのペースでも長く走り続けることなのです。

 

そしてときには気を緩めることがあっても、きちんとコントロールできるなら問題はありません。

 

 

今回、土井さんを知ったことでダイエットセカンドシーズンの方向性が決まりました。

 

テーマは「続けるために楽にやせる」。

 

手段として「一汁一菜」を取ることにしました。

(もちろんこれは原則なので、週1,2回、多くて3回くらいもう1品ついたりすると思います)

 

5月末から6月はじめくらいを目安に結果報告をする予定なので、ダイエットに興味のある方はよろしくお願いします。

 

また、自炊は得意ではないけれど興味があるという方は先に挙げた動画や対談をチェックしたり、土井さんの本を読んでみるとガチガチに考える必要はないということがわかって気が楽になると思いますよ。