凡才ですから

凡才だから努力して一日ひとつだけ強くなる。

学校で話せない!場面緘黙症の改善に役立つ情報まとめ

f:id:taiheiex:20180216154355j:plain

うちの子、毎朝、学校に行くのがつらそう。


家族や仲の良い友達とは話せるのに、授業中、先生に問題を解くようにあてられると黙り込んでしまう。


でも、テストの点を見ると勉強が特別にできないというわけじゃない。

 

ちょっと人見知りが激しいけれど、そのうち治るだろう……。

 

そんな風に考えていませんか?

 

少しだけ待って下さい。お子さんの将来に関わる、大切なことです。

 

もしかしたらお子さんは「場面緘黙(ばめんかんもく)」かもしれません。

 

えっ、場面緘黙ってなに?

内気とか人見知り、発達障害と違うの?
そうそう、お医者さんに診せたらそう言われた。でもどうして良いのか分からない……。

 

いろいろな反応があると思います。

 

私自身、仕事で本格的に場面緘黙の子と関わるまではあまり気にしていませんでした。

ですが実際に場面緘黙の子とのコミュニケーションが必要になり、いろいろと学ぶ中で気づいたことがあるのです。

 

それは、
緘黙というのは子供には人生を左右するくらい大きい問題改善には周囲の支援が必要
だということ。

 

コミュニケーション能力が強く求められるのが現代社会です。

 

勉強や仕事で頑張っても、緘黙症やその名残りの影響で評価されないなんてことがあったら、すごく大変。

子供の将来・未来のことを考えると親としてはサポートしてあげたいですよね。

 

ここではそんな場面緘黙に悩む親子のために、症状の改善に役立つ情報についてまとめます。

 

場面緘黙症とは?

場面緘黙症(もしくは選択性緘黙)というのは簡単に言ってしまうと、

  •  1ヶ月以上の長期に渡って
  •  家族や親しい友人以外の前で
  •  注目されると(あるいはされなくても)話したり何かの動作ができなくなってしまう

という症状です。

 

学校で先生にあてられて急に話せなくなる、固まってしまう子がクラスにいませんでしたか?

 

人によって症状の程度にも差はありますが、この状態が入学直後やクラス替え直後だけでなく長く続くようだと場面緘黙として考えることができます。

 

ちなみに家族の前などを含めて、あらゆる状況で話せない場合は全緘黙という症状で場面緘黙とはわけられています。

 

全緘黙の場合は親が子供の症状に早期に気づくことも多いです。

ですが場面緘黙の場合だと家では普通に話せるので発見が遅れがちです。

 

そして結果として症状の治療が遅れた場合などは、理解のない先生に理不尽に叱られたり、いじめが起きることで緘黙症状が悪化して不登校になってしまうことも少なくありません。


普通の人でも就職活動や受験での面接、結婚式のスピーチや、職場で大勢の前に立って話す時は緊張しますよね?

 

こういった場面での緊張度合いに個人差があるように、緘黙の人はそれが特に強烈なのだと思うと受け入れやすくなると思います。

 

そしてスピーチや面接は訓練や慣れで緊張しにくくなるのと同様に、緘黙症もきちんと理解してトレーニングをすれば少しずつ改善することができるのです。


場面緘黙の原因と最初にするべきこと

場面緘黙の原因は、生まれつき脳の扁桃体が普通の人よりも敏感に反応しやすいせいだといわれています。


この扁桃体の過剰反応で不安を感じやすいため、注目されると緊張と合わさって固まってしまったり言葉が出なくなるのです。

 

まずはお医者さんの診断を受けると、親としてもどうすれば良いか方向性が見えてきます。


役所の福祉課や子育て支援に関わる窓口に相談し、病院を紹介してもらうと良いでしょう。

 

ネットで検索すると病院のホームページが出て来ることもありますが、ホームページの見栄えが良くても先生の質が良いとは限りません。

 

そもそも緘黙に詳しくないのにとりあえずホームページに緘黙症が診れると記載してある場合もありますし、医師のコミュニケーション能力や子供との相性は人それぞれ違うのです。

 

個人的な経験としては以前4件ほど心療内科を回ったことがありますが、安心して任せられるなと感じた医師は1人しかいませんでした。

 

良いお医者さんを見つけるためにも、ぜひ一度公共の制度を使ってみてください。

 

なお後で触れますが、不登校の子の受験や学校でのスモールステップを考える場合は診察を受けた際に診断書を書いてもらうと良いですよ。


今まで関わってきた場面緘黙の子の例

さて、次に私が今まで関わってきた場面緘黙と思われる子の例を紹介していきます。
比較的軽度の子から症状の重い子までいますのでぜひ参考にしてみてください。

 

【A君】
A君は小学校と中学校のときのクラスメイトでした。
友達と話したりクラブ活動では声を出せるのですが、授業のときに先生にあてられるとしばしば話せなくなり、固まってしまって時には泣き出してしまうこともよくありました。

 

成績は普通くらいの子だったので、今考えると声は出なくても答えられる問題のときもあったと思います。
彼の緘黙症状は比較的軽度で、受験の面接はしっかりと練習することでなんとかクリア。

 

大人になった今の話を聞くと、コミュニケーションに苦手意識は多少あるけれど普通に生活できているとのことです。

 

【Bさん】
Bさんは中学校のときのクラスメイトでした。
双子の姉がおり、Bさんは妹の方。
お姉さんはやや物静かですが普通の子、BさんはA君と同じく軽めの緘黙症状が出ていました。

 

Bさんの緘黙症状は先生にあてられたときは時間がかかるけれど答えられることも多く、むしろクラスメイトとのコミュニケーションの際に黙り込んでしまうことが多かったように思います。

 

この点は同じ緘黙症状でも差があるのですね。
先生に指された時は答えることがはっきりしているのに対し、普通の会話だと目的がないこともありますから、そういった状況を苦手とする子もいるということです。

 

受験に関してはそもそも面接がない高校を選び、見事に合格を果たしています。
大人になった今は仕事で人に接することも普通にできるようです。

 

【Cさん】
Cさんは高校のときのクラスメイトでした。
授業中・友達との会話どちらでも緘黙症状が重めで、彼女のところで教室が静かになることが多く非常に気になる存在だったのを覚えています。

 

彼女にとって良かったのは、高校が自由な校風の進学校で先生が口うるさくなく、いじめもなかったこと、そして何より非常に優しい女の子の友達がいたことです。


家庭では気づけないことも、緘黙症状を目にするクラスメイトは(症状の名前は知らなくても)把握しています。
Cさんに優しい友達は非常に朗らかな子で、クラス全員がその対応に引っ張られていたような気がします。

 

その後の連絡は取っていないのですが、高校卒業後は有名大学に進学しています。


【Dさん】
Dさんは最近私が仕事で関わることになった中学生の女の子です。
緘黙症状と家庭の事情が合わさって中学校は不登校でした。

 

初めてDさんに会った日、ここまで話してきたA君・Bさん・Cさんのことを思い出して調べた結果、場面緘黙であることが明らかになりました。
発見が遅れたため、症状はかなり重いのですが幸いなことに話のできる友達がいました。

 

家族の理解も得られたので現在受験に向けて勉強しながらスモールステップで改善を行っています。


緘黙症の理解・改善に役立つ本

緘黙を取り扱った本は結構な数が出ています。

 

特に漫画で分かりやすく解説したものは、理解を深めたり周囲の対応の参考にしやすいです。
本人が症状を自覚するとどうしたら良いのかが分かることも多いので、ある程度の年齢になったらさりげなく読むように誘導すると良いかと思います。

 

『放課後カルテ』はストーリーがしっかりしていて読みやすく非常にオススメです。

 

こちらは緘黙だった作者さんの視点で描かれたエッセイ風漫画。

お子さんが読むにはこちらがオススメ。

 

入門書としてはこの本が分かりやすく、実際にスモールステップを導入していくのにも便利です。

 

漫画で緘黙について知った後は、まとまった知識も得やすいので学術系の本を1冊は手元に置いておきたいですね。
スモールステップを考える際に非常に役に立ちます。

 


緘黙症に役に立つウェブサイト

インターネットの普及で以前より緘黙の症状は広く知られるようになりました。

知識を得るきっかけになったり、緘黙の子を持つ親のコミュニティも広まっています。

 

緘黙を取り扱った漫画を無料で見られるだけでなく、症状の把握やスモールステップの取り組みに役立つプリントが公開されていたりするので症状の改善にも役立ちます。

 

以下のリンク先のページはどれも役に立つものばかりなので、ぜひチェックしてみて下さい。

 

かんもくネット〜場面緘黙児支援のための情報交換ネットワーク団体〜

団体としては上のものが会員数1500名以上で規模が大きく、信頼が置けます。

 

学校で話せない子ども達のために

上のサイトでは無料で読める漫画やスモールステップに役立つチェックシートの配布がされており、非常にお世話になっています。

 

緘黙RPGをブラウザで遊ぶ!

緘黙を題材にした無料のゲームを作った方がいます。

私は最初、このゲームから緘黙の理解を深めました。

 

 


周囲との協力と診断書の必要性

緘黙は周囲の反応・対応に非常に影響を受けます。

 

家族だけでなく、先生やクラスメイトがそういう症状なんだと知っているだけで変わってくるものです。

 

お医者さんにかかった際には診断書をもらい、学校では保健室の先生やカウンセラー、担任の先生に協力してもらいやすい環境を作ると良いでしょう。

 

症状の改善が進み学校でスモールステップに取り組む際にも、根拠となるものがあると協力を得られやすいですよ。


改善のためのスモールステップ

緘黙の改善には、スモールステップという手段が良く取られます。
いきなり大きく環境や、やることを変えるのではなく、少しずつできることを増やしていく方法ですね。

 

コツとしては、

  •  「場所」「人」「やること」の3つを1つずつ克服していく
  •  成功したらすぐに褒める「即時強化」を行う
  •  記録を取って変化・成長を意識させる
  •  できたらすぐ次に進まず、できたことを繰り返す。ときには前のステップに戻る
  •  慣れてきたら周りの指示ではなく、本人にやることを決めさせて自立を促す

この5つが大事です。


例えば親しい友だちはいるけれど、学校に行くことができない不登校の子のスモールステップを考えてみましょう。

 

レベル1 リコーダーの練習を家でしてみる
レベル2 両親とカラオケボックスに行ってリコーダーの練習をしてみる
レベル3 家でリコーダーの練習をしているところに話せる友達を呼んでみる
レベル4 カラオケボックスで友達と一緒にリコーダーの練習をする
レベル5 誰もいない放課後の音楽室で1人(か親と一緒)でリコーダーの練習をする
レベル6 放課後の音楽室で友達とリコーダーの練習をする
レベル7 放課後の教室で1人でリコーダーの練習をする
レベル8 放課後の教室で友達とリコーダーの練習をする
レベル9 教室で先生がいないとき、生徒だけでリコーダーの練習をする
レベル10 先生がいるときに皆とリコーダーの練習をする

 

ここではわかりやすくするために、「やること」をリコーダーに限定しました。

 

スモールステップでは声を出すことに繋がっていくシャボン玉を吹くことがしばしば扱われますが、音を出して良い環境ならリコーダーも悪くありません。

リコーダーが学校を強く連想させてしまう場合は、例えばハーモニカなど別の楽器や他のことでも良いでしょう。

 

スモールステップも「場所」の変更でいきなり学校に行くのではなく、カラオケボックスに行ったり、学校を使うときも放課後の教室や音楽室などから徐々に慣らしていくと良いです。


というのも多くの児童にとってもっとも緘黙の症状が出てしまうのは教室で先生に指されたときであり、いきなりその場に挑むのはかなり難しいことだからです。

 

場合によっては音楽室で練習しているのを外で聞いていて、後で「聞こえていたよ」と伝えるのも友達が出来るパターンに近い「うっかり」できてしまったというよくある改善パターンでスモールステップを進ませることもあります。

 

ここではリコーダーを例に取りましたが、難しいようでしたら絵を描いたり問題集を解いたりするのも良いです。

 

いきなり声を出すというのは緘黙児には非常にストレスに感じるので、まずは動作から入っていくと結果的にはより速く改善が進んだりします。

 

そしてスモールステップではできた場合はもちろん、あるいはできなかった場合でも頑張ったことをすぐ褒めてあげることが大切です(即時強化)

 

物で釣るというのはそれが目的になってしまうとあまり良くないようですので、シールやスタンプなど頑張ったことを形に残るようにして褒めるのが良いかと思います。

 

物をご褒美にする場合は、例えばゲーム機など高価な物なら数ヶ月の積み重ねで手に入るポイント制にしたり、ゲームをする時間を30分余計にして良いなど約束事に対する自由を与えるのが良いでしょう。

 

ここで注意してほしいのは、大事なのは「できなかったときでも褒める」ということです。

 

結果はすぐに変えられるか分かりませんが、挑戦すること自体はできるのです。

 

そして失敗に対してポジティブな反応が与えられ、挑戦に対する恐怖を覚えないようにできたら、緘黙症の原因の部分を改善できるかもしれません。

 

失敗してしまったときはスモールステップをさらに細かく分解して、もっと取り組みやすくすることも可能です。

 

長い目で見ることになり大変だとは思いますが、どうか一足飛びに解決を望まないで下さい。

ときにはスモールステップのペースを落とすくらいがちょうどいいのです。

 

受験に向けて。家庭教師・通信制の高校という選択肢

教育に関わる仕事をしている経験から、症状に気づくのが遅れたりして緘黙が長引いてしまった場合、高校受験が緘黙児にとっては最も大きな壁になると私は考えています。

 

中学受験は増えているとはいえ挑戦しない家庭の方が多いですし、大学受験なら仮に不登校でもとりあえず高認を取るか卒業さえしてしまえばテストだけで決まってしまうことがほとんどで意外と何とかなります。

 

ただ、高校受験だけは別で「面接」と「内申点」が評価の対象に入ることが多いのです。

 

面接は集団で受けるグループ面接、1人で受ける個人面接のいずれかですが、どちらにせよ「初めての場所で」「見知らぬ人と」「普通の生徒でも緊張する状況で」話すことは緘黙児には非常に難しいと言わざるを得ません。

 

内申点は通知表の点数のことです。

 

これは都道府県や受験する学校によって扱いが異なりますが、テストが5教科で500点満点に加えて、通知表の評価がおよそ135点以上、さらに面接や作文といった試験が10点~30点程度と計算されて評価の対象になることが多いです。

 

仮に不登校で内申点が0なら100点以上というテストでカバーできない致命的な差ですし、学校に通っていても全ての先生の理解を得られるとは限らず普通の子に比べると不利になります。

 

(以前の東京都では内申点を考慮せず、一部の成績上位者をテストの点だけで判断する方式もありました。ただ、この制度は廃止されていますし現状大多数の公立校は内申点を考慮します)

 

特に不登校の子の内申点に関しては受験まで2年以上あればほぼ問題はないですが、1年を切ってしまっていると緘黙症状の改善に時間がかかることも含めるとかなり厳しいです。

 

もちろんどこでも通えれば良いというのであれば問題はありません。

私立などはテスト(と作文)で決まることも多いです。

しかし例えば絶対に公立高校!という目標は場合によっては極めて難しいということも知っておいてほしいのです。

 

私自身、緘黙症ではありませんが不登校の子を見ていた際に内申点も考慮される公立の高校に合格させた経験もあります。


ただ受験のシステムをいろいろ知った後だと例えば偏差値70以上のトップ校は不可能に近いこともあるなと感じています。

 

私が不登校の子を合格させたケースでは中学の先生と連携を取り、高校にも不登校の子の扱いについて自己申告書の質問をしたりするなど入念な準備をし、さらにその年度は倍率もそれほど高くありませんでした。

 

それでも通常と異なる枠があるかどうかは結局明記・明言されていませんし、不安は合格までつきまといました。

 

勉強自体も、合格最低点ではなく合格平均点より上を目指す必要があると思いますし普通の子と比べると相当厳しいです。

 

そしてご家庭の経済状況にもよりますが、通信制の学校も増えた現在では(金銭的な面でも)必ずしも公立高校だけが良いというわけではないのです。

 

お子さんに学歴を求めるのであれば本当の勝負は大学受験ですので、どうかそちらに力を注ぐことを考えた方が良い結果が出るかと思います。

 

勉強に関しては緘黙症にいつ気づいたかによりますが個人的には

  •  不登校か学校に通えているか
  •  高校受験までの残り時間

の2つを意識しています。

 

不登校の子の場合は無理やり学校に行かせるのではなく、
家庭教師(オンライン含む)や映像授業、進研ゼミやZ会などの通信教育
といった選択も効果的です。

 

映像授業はまずは非常に安価で試すことができるスタディサプリがオススメです。


スタディサプリは小学生から高校生まで幅広い年齢の子が、各教科の基本を家でネットを使って月額980円で学ぶことができるのです。

勉強することに慣れてきたらより体系的に参考書など本から学ぶのと、家庭教師に直接聞いた方が効率的なので導入に3ヶ月程度の期間使うのオススメです。

 

 

通信教育は進研ゼミのオンライン対応が非常に進んでいてオススメです。
小学校の間はスタディサプリ→進研ゼミが王道コースになってくると思います。


ちなみに将来的に難関校を目指す場合は、中学に入ってからは数学と国語だけZ会でしっかりと記述力を養うのが効率的です。

 

どれか一つに頼るのではなく、それぞれの良いところを使っていくと効果的ですよ。

 

 

家庭教師に関しては心理学系の学部の大学生や、発達障害などに理解のあるベテランの方だと症状を説明すればしっかり対応してくれると思います。

 

知らない人に慣れる訓練にもなりますので、スモールステップが進んできたら家庭教師はオススメです。

 

家庭教師はこちらのサイトですとまとめて体験授業の依頼ができるので、それぞれ事務の受付対応を比較してみると良いかと思います。

 

(ちなみに私は複数の会社から紹介を受けて家庭教師をしています。
ここだけの話、プロの家庭教師は値段も相応にかかりますが経験を積んでいるので学生に比べて安心して任せることが出来ますし、紹介する会社の対応も非常に質が高いです。
正直なところ安いところは会社の対応も安かろう悪かろうな部分があって、私も仕事を断るようになりました。その点も気に留めておいていただけると幸いです)

 

家庭教師の場合は教材も通信教育のものを基本的にそのまま流用すれば安くすませることができるのが嬉しいところですね。

 

不登校の子の勉強に対する全体の流れとしては、

 

映像授業

→通信教育

→慣れてきたら並行して家庭教師

→スモールステップが進んだら学校へ

 

の流れだとスムーズに行くはずです。

 

ちなみに塾は成績を伸ばすことが中心で緘黙児への対応までは手が回らない、というのが私の個人的な経験からの意見です。
仲の良い話せる友達のお母さんが公文の教室をしているという場合など特殊な例外を除いてオススメしません。

 

(最近の塾はほとんどシステム化されていて緘黙児とは相性が悪いです。現状、緘黙への対応は担任の先生や家庭教師など個人の力に頼るところが大きいです……)

 

 

また、高校受験まで1年を切っている場合は内申点と面接のハンデが非常に重くなることがあります。
可能ならぜひ通信制の高校も選択肢に入れることを考えてみて下さい。

 

最近新しく出来たばかりですが、N高などは単なる普通の高校に通うのが難しい子向けの学校ではなく、新しい取り組みをしている上に学費も安いので非常にオススメです。

 

(私がもし高校生活をやり直せるとしたら、偏差値70の進学校より時間を自分で管理できるN高に行きたいと思っていたり……)

 

大学受験に関しては勉強しなければいけない範囲も広いです。
特に2020年の大学入試改革で一部のトップ校などを除いて、全国的に現在の学校教育では国語と数学の形式の変化に対応できない状況も出てくることを予想しています。

 

つらい思いをして無理に普通の学校に行くよりは、「やりたいことを見つける」のと「自立」を目標にして子供の個性を生かした道を進ませてあげた方が勉強にも熱が入ります。
そして結果として上手く行くと私は考えています。

 

N高はプログラミング教育や5日間の沖縄へのスクーリングなどばかりが取り上げられています。
ですが個人的にN高で注目しているのは受験対策と職業体験。
そしてSlackというSNSを通じて他の生徒とコミュニケーションが取れる点です。

 

受験対策は何気に医学部の模試で偏差値70近くを出した子が出ています。
職業体験は通信制という利点を最大に生かしておそらく全国でも有数の質です。

 

SNSを通じて他の子とコミュニケーションが取れるのも緘黙の子には非常に嬉しいものだと思います。

 

 


いろいろと触れましたが、いずれにせよ緘黙の子がその症状によって可能性を閉ざされることがないよう、可能な限りのサポートをしてあげたいですよね。

 

親も人間ですからサポートする側がイライラすることもときにあるかもしれません。

 

ですが本当につらいのはお子さん本人なのです。

 

そのことを忘れずに、きつくあたってしまった後にはきちんとあなたのことを愛しているのだとお子さんに伝えてフォローしてあげて下さいね。

 

お子さんのためだけではなく、自分の中にあるお子さんへの愛情を伝えることであなた自身が癒されるはずです。