仕事でも勉強でも、どんなことをするのにも必要なのが集中力。
でも、集中力を自由にコントロールするのはなかなか難しいですよね。
好きなことなら何時間でも続けられるのに、やらなくちゃいけないことになると途端に集中力が持たなくなる。そんな経験はありませんか?
私も自分で受験勉強をしていたときや、仕事で人に物を教えるときに相手の集中力を上手く維持するのは本当に難しいと感じていました。
しかし、家庭教師でいろいろな子を指導する中で試した様々な方法からついに集中力を鍛える方法に気づいたのです。
実はそのカギは大旋風を巻き起こしたアニメ『ポプテピピック』にあったのです。
ポプテピピックから学ぶ集中力の鍛え方まとめ
・元ネタは小ネタを詰め込んだ4コマ漫画
課題を分割すると集中力は上昇する
・繰り返されるAパートとBパート
繰り返しで集中力を節約し、より多くのことに気づけるようになる
・飽きさせないOPと星色ガールドロップの予告
ルーティンと明日を意識した終わり方で安定した集中力を維持する
分割することで集中力は上昇する
『ポプテピピック』は元々四コマ漫画でした。
私は『ポプテピピック』がアニメ化されると聞いて、てっきり『てーきゅう』などのような5分程度の短い時間のアニメになると思っていたのですがその期待はいい意味で裏切られました。
期待が裏切られた部分については後で触れるとして、予想通りだったのは短い話を1話の中でいくつも詰め込んだ形式になっていたことです。
元ネタをかなり幅を広げて解釈し、平均すると4~5本程度のショートコントが繰り返されるようなイメージですね。
これ、実は集中力を鍛えるという意味ではかなり参考になります。
『ポプテピピック』はパロディが非常に多く、元ネタを知らないと面白さが分からない話というのも数が多いのですが、1つの話が長くても5分に満たないので自然と見れてしまいます。
普通のストーリーのある作品だと、良作でも冗長に思える部分がゼロではないですし、面白くない作品だと1話約24分を最後まで見るのが本当に苦痛です。
アニメ全体が昔に比べると非常に短い話数の中で決着をつけることを求められており、この点に関してはヒットした漫画が後半しばしば間延びするのと対照的ですね。
『ポプテピピック』と同じ時期に放映されている人気の『りゅうおうのおしごと!』を考えてみると、こちらの作品に関してはおそらく1クール13話前後で原作5巻までを消化する必要があり、かなりカットされている部分もありますが話としては破綻していません。
実は、間延びするよりかは基本的に無理やり詰め込んだ方が失敗しにくいのです。
少し話がズレましたが、とにかく集中力を鍛えるには分割して問題に取り組むことが非常に効果的です。
大抵の場合、本来それをこなす実力はあると思えるのに途中で放り投げてしまう理由は問題をそのままのサイズでこなそうとするからです。
試験では1時間から1時間半程度は時間がかかることが多いです。
ですが実際にはその時間の中で複数の大問、さらに大問を複数の小問に分割して問題に取り組みます。
そしてその1つ1つの小問に関して見ると、ほとんどのものが5分以内、長くても15分程度で解けるようになっていることが多いのです。
中には非常に時間の長い記述問題もありますが、そういう場合は何を書くか構成を考え、書くと決めたポイントごとに集中して取り組んでいます。
そんなわけで、どうにも集中力が持たないと思ったときは課題を分割すると非常にこなしやすくなり、質もアップするのです。
やる気が出ない、上手く行かない、集中力が続かないといったときは、『ポプテピピック』の1つのネタ程度の長さまで課題を分けるイメージで取り組んでみて下さい。
繰り返すことでより細かい点に気づくようになる
最初に少しだけ触れた、『ポプテピピック』が想像を越えてきた部分というのは声優だけを変えて前半のAパートと後半のBパートで同じアニメーションを流すということですね。
『ポプテピピック』は短いネタをいくつも1話の中に詰め込んでいますが、そのどれもが非常にクオリティが高いものとなっています。
ゲームの画面風だったり、オープニングやエンディングとは別に1回しか使わない曲を準備したり、実写でコマ送り撮影したパートがあったり……。
作画の質、アニメーションとしての質が非常に高いのです。
そしてよく考えるとそんなクオリティで作っていると予算が足りるわけがないんですよね(笑)。
ちなみにアニメ1本24分を作るには通常1000万~3000万程度がかかると言われています。
クオリティを落とさずに5分程度の短編アニメではなく24分の枠を埋めるには、このAパートとBパートの繰り返しは苦肉の策だったように思えますが、実際にやってみると成功したと言って良いでしょう。
面白いのはメインの2人以外は声優も同じなのに、非常に新鮮な気持ちで見ることができるということなんですよね。
この点についてはかつて2期でほとんど同じ話を何度も繰り返して放映し、作品としては失敗した『涼宮ハルヒの憂鬱』のエンドレスエイトと対照的です。
ネタの密度が濃いことも合わさって『ポプテピピック』のBパートは同じ話でも新しい発見があったりするのです。
そして集中力を鍛えるにはこの繰り返しが非常に大切。
スポーツで新しい技術を得ようと思ったら、何度も練習することになるのはお分かりだと思います。
これは勉強や仕事でも同じで、何度も繰り返すことで苦労せずに出来る部分が増え、より細かいところまで気づけるようになるのです。
先に触れた課題の分割にも近いものがありますが、一定時間に使える集中力の総量というのは限られていて、慣れることで特定の部分で消費される集中力を節約できるようになります。
すると結果として余った集中力でより細かい部分に取り組むことが出来るようになり、全体の質は上昇してくのです。
課題を十分に細かく分割したら、『ポプテピピック』のAパートとBパートのことを思い出して繰り返すことを意識してみると集中力を鍛えやすくなりますよ。
ルーティンと次回の準備には全力を注ぐべし
『ポプテピピック』を見ているとOPのクオリティが非常に高いことにも気づきます。
EDも8ビット風のチップチューンだったり、映画『イージー・ライダー』のパロディを取り入れたり飽きさせません。
最近だと主題歌で話題になったアニメは『けものフレンズ』のOPや少し前だと『血界戦線』1期のEDなどですが、どちらも非常にクオリティが高くなっていますよね。
似たようなところだと『プリキュアシリーズ』の変身シーンなどもそうですが、何度も繰り返すシーンには特に力を入れる作品が多いのです。
さらに『ポプテピピック』の場合、ED後に星色ガールドロップという架空のアニメの予告を流していますが、これは他の作品で言うエンディング後のCパートに当たると考えて良いでしょう。
2000年代半ばくらいからしばしば使われるようになったこのCパートという手法は、視聴者の興味を最後まで途切れさせず、次回への期待を持たせるのに非常に有効な方法です。
これを集中力という観点から見て、他のことに活かそうとするとルーティンと次回の準備の重要性という2点に捉え直すことができます。
ルーティンはスポーツなどでよく聞く、決まった動作のこと。
かつてイチローが打席に入る前に同じ動作をしていたことや、朝食にカレーを食べていたことなどですね。
一つ前に繰り返すことで集中力がアップするという話をしましたね。
これは一見して無駄な動作を入れることで、その後の本来集中したい動作に余裕を持って取り組めるようにする効果があるのです。
イチローの野球の例だと、打席に立ったときに対戦する相手投手や投げてくる球、アウトカウントなどの状況は毎回違います。
しかし打席に入る前のルーティンなら常に同じことを繰り返すことができ、集中力を高めやすいのです。
そして次回の準備の重要性は意外と意識していないことが多いポイント。
仕事や勉強など長期間に渡って続ける必要があることに関しては、安定して力を発揮し続けることが重要です。
そうなってくると1日の終わりや作業の終わりは適当に済ませるのではなく、意識して次の日に取り組みやすくする工夫をしておきたいと考えるようになってきます。
これに関していろいろなところで言われているのがPDCAサイクルの重要性です。
仕事だと日報を出すことを義務付けられていることも多いですし、勉強なら復習の重要性を小学校から何度も言われたと思います。
これは(出来れば今よりも成長して)明日以降も安定した力を出し続けるために必要なことなんですね。
すぐ取り入れられる手法だと、例えば資料作成なら見出しだけ書いてしまうとか、勉強なら問題を明日の分の1問だけ途中まで解くといった方法がオススメです。
毎日安定して集中力を発揮するためには、『ポプテピピック』のオープニングと星色ガールドロップの予告を思い出して、作業前のルーティンと明日に繋げる1日の終わり方を意識してみて下さい。
ポプテピピックのブルーレイはオーディオコメンタリーが衝撃的だと話題になりました。まさにカオスの権化。一見の価値あり。
集中力をコントロールする方法を漫画で解説した本です。
メンタリストDaiGoの著作は心理学系の本の中では非常に分かりやすく、興味を持ったら最初に手にするにはオススメです。