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本を読んでいるのに成績の上がらない子の特徴10選

大量の本が入った本棚

 

プロ講師としていろんな子を教えていると、良く生徒のお母様からこんな相談を受けることがあります。

 

「うちの子って部活から帰ってきたら家ではスマホをいじってばっかりなんですよ!成績を上げるにはもっと本を読ませたほうがいいのかしら?」

 

これに対して私はこう答えます。

 

「今のお子さんはなかなか本を読んでくれなくて大変ですよね。

確かにいくつかの研究でも本を読んでいる子は成績が良いという結果が出ています。

でも実は、本を読んでいるのに成績が上がらないという子もいるんですよ」

 

というわけでこの記事ではいろんな子を教えてきて気づいた、本を読んでいるのに成績が上がらない子の特徴をまとめて紹介します。

 

子どもだけでなく大人にも当てはまることだと思いますので、ぜひ日頃の読書の参考にして見てください。

 

 

小説しか読まない

なにか一つ選べと言われたら、迷わず小説しか読まないのが原因だと答えます。

 

今の時代、多くの学校で朝に読書の時間が設けられています。

 

ですが、ほとんどこの時間で読まれる本は小説が想定されているのです。

 

漫画とか絵本を読んでいいですか、とかそういう話ではないですよ。

 

新書のように専門知識の書かれた本をもっと読んでほしいということが言いたいのです。

 

国語の文章は主に小説と説明文・評論文の2つに分けられます。

 

小説は多少なりとも読んでいても、説明文・評論文を読む練習が足りない子が非常に多いのです。

 

テレビで言えばドラマやアニメばかり見て、ドキュメンタリーを見ない、という感じですね。

 

本は小説だけではありません。

 

新書やエッセイ、ちょっと疲れたら漫画だって良いものがあります。

どんどん読んでみてください。

 

1回しか同じ本を読まない

良い本というのは繰り返し読むと発見が必ずあります。

 

あるいは、つまらないと感じて放り投げた本も時間が経って改めて読み直してみるとすごく面白くて一気に読んでしまうこともよくあることです。

 

本を読む冊数にこだわって、1冊の本を1回しか読まないのは非常にもったいないです。

 

小説であれば1回目は登場人物を覚えたり、話の流れを追うのに精一杯だったのが2回目以降は表現の奥深さや、丁寧な伏線の貼り方が隠されていることに気づくことがあります。

 

新書であれば1回目は知らなかった知識が頭に入っているので、もっと深い知識が入ってきたり、1回目ではわからなかったことが分かるようになったりするのです。

 

良い本ほど繰り返し読むと得るものがあります。

自分が好きだな、面白かったなと強く感じた本や、多くの人が長く名作と呼ぶような本はぜひ何度も読み返してみてください。

 

きっと何か発見があるはずです。

 

自分で本を選ばない

これは本を読む以前の問題で、無理やり読まされているパターンです。

 

特に親と仲が悪いのに無理やり本を押し付けられたら、せっかく面白い本でもその本のことまで嫌いになってしまう可能性は高いです。

 

夏休みの読書感想文なんかも、あまり本を読んでいない子には非常に苦痛だったりします。

 

まずは自分が少しでも興味の持てる本を選ぶこと。

 

それが一番大事なことの一つだと思います。

 

学校でしか読まない

これも無理やり読まされているパターンに近いですね。

 

学校では読みにくい本というのはたくさんあります。

 

例えば漫画だったり、ライトノベルだったり、ちょっとエッチなシーンがあったり……。

 

まずは興味を持って読むことの方が大事です。

 

加えて、学校でしか本を読まないとどうしても読む本の数や回数に限りができてしまいます

 

ぜひ学校以外でも家だったり通学途中の電車やバスの中だったり、図書館だったりでもっと読書を楽しんでもらいたいものです。

 

 

いきなり難しい本を読もうとする

特に学校で本を読むとなると、どうしても自由に選んだ場合に比べて文字が多かったりちょっと難し目の本になることが多いです。

 

ちょっと背伸びして読めるくらいの難しさなら良いのですが、頑張って読んでいるのに全然進まないし内容もわからない!

ということになると読書が嫌いになってしまいます

 

読書の経験というのは子どもによってかなり差があるので、ある程度、時間をかけて少しずつ難しい本に挑戦していく必要があります。

 

この経験の差を私は非常に重く見ているので、漫画ライトノベルを読むことも選択肢として普通にありだと考えています。

 

同じジャンルの本ばかり読んでいる

ミステリ好きな人がそればっかり読んだり、恋愛小説好きな人がそればっかり読んだり、これもよくありますね。

 

同じジャンルの本をある程度読んでいると、玄人にしか分からない細かい差とかは分かるようになっていきますが、入ってくる情報の量はどんどん減っていきます

 

似たような特徴で、同じ作者の本しか読まないというのもあります。

 

単純に好きな作者がいて、その人の作品は全部読む、というのはとても素敵なことです。

 

でも、一人の作者の本しか読まないということはその人とは違ったタイプの想像力や、経験してきたものを味わうことができないということでもあります。

 

これはとてももったいないことですし、知識の広がりという面から見ても自分に無意味な縛りをつけているようなものです。

 

 

 

 

すべての本を最初から最後まで読もうとする

これは本を読むのが好きな人にもよくある特徴ですね。

 

特に平成以降、本の出版点数というのは非常に増えています。

 

当然、昔に比べると良い本が増える一方で校正が甘かったり、場合によってはトンデモな本もよく見かけるようになりました。

 

あるいはそれだけではなくて、本を読むにはその人に適したタイミングがあります

 

例えば名著でも『戦争と平和』を世界史を習っていない中学生が読むのはかなりキツイはず。

 

自分の知っている言葉の数(語彙)や背景にある知識の量など、もし評価されているのに読むのが辛い本があるのなら、それはまだ読むべきタイミングではないのかもしれません。

 

文章を声に出してしまう

これは特に本を読み慣れていない子に多い特徴です。

頭の中で声を出してしまうのも同じです。

 

文字に慣れるまでの幼少期なら話は別ですが、量を読みこなすには最低限の速度が必要になります。

 

日本人全体の平均的な読書スピード1分間に500文字で優秀な人は1500文字以上を読むことができます。

 

一方で声に出した場合、NHKのアナウンサーのように淀みなく喋っても1分で300文字しか読むことができないのです。

 

通常でも1.5倍以上、場合によっては5倍もの差があります。

 

これは得意不得意ではなく、練習で身につく技術なのでぜひ身につけましょう。

 

国語や英語はもちろんですが、実は数学や理科などの科目でも問題を読むスピードが段違いになります。

 

 

古い本を読まない

これはややハイレベルな話です。

同じジャンルの本ばかり読むのと近いものがありますが、特に受験を考えると戦前の漱石とか多少なりとも古い本を読む必要が出てきます。

 

今とよく使われている言葉の種類や言い回しが違ったり、1文の長さの違いなどに慣れる必要があるからです。

 

最近の本は特に一般文芸やライトノベルだと競争が激烈で、読者に読ませるために読むのが楽な文章になっていることが多いです。

 

現代ではゲームや動画のように視覚に働きかける娯楽が大半で、文章が中止でもネットの記事では画像を多用しています。

 

それに釣られて使われている書き言葉も変化しているのです。

 

ですが試験では若干古めの難しい文章を問われることが多いので、それに慣れるためにも古い本を読もうということですね。

 

また、各種哲学書や国内外問わず古典文学といったさらに古い本も非常に学びが多いのですが苦労なく読めるようになるのはかなり本を読んだ後になるかと思います。

 

ここで触れている古い本ですら、最低限今売れている一般文芸が読めるレベルの後でないとキツイはずですので。

 

 

 

行動に移さない

これはむしろビジネス書ばかり読んでいるのに仕事で成果が出ない大人の特徴かもしれませんね。

 

本を読む、何回も読む、それだけの価値のある本を見つけた。

 

そうしたらその知識をきちんと自分の血肉にするために本を自分の人生に生かすと世界がまったく変わってきます。

 

小説であれば人の気持ちや行動原理を読み解くヒントにしたり、今の自分の生活や社会に言い換えると読んだ本は何を指しているのか考えてみたり。

 

新書であればそのまま使える情報を試してみるだけではなく、気になった分野が出てきたらそれについて改めて調べてみたり。

 

 

簡単なことでも良いのです。

 

 

本と世界はつながっています。

 

 

でも、その世界を閉じたままにしておくかどうかは読者次第なのです。

 

 

まとめ

本を読んでいるのに成績の上がらない子の特徴

  • 興味のない本を無理やり読まされている
  • その本を読むタイミングとあっていない
  • 本を読んでいる数や回数が少ない
  • 本を読んでいる種類が少ない
  • 本を読むだけで終わりにしている

 

ほとんどのテストは採点の公平性の都合で、今後も文字を基本としていくでしょう。

 

学校や塾、動画での授業は音声+画像+文字の組み合わせですので、知識が入ってくる段階で実は問われる形式と異なっているのです。

 

本を読むということは文字に慣れるということでもあり、求められるテストの形式に慣れるということでもあります。

 

スポーツで言えばその競技の技術を鍛える前からそもそも足が速いとかそういった部分で有利になれるということですね。

 

また、成績のためだけではなく、むしろ映画や漫画やアニメやゲームといった娯楽も本を読んで知識を得るとより深く理解できるようになって面白さが段違いになります。

 

実用的にも娯楽のためにも本は人生を豊かにしてくれるのです。

 

 

「 朗読」をテーマにした隠れた名作漫画。

本の読み方の深さを読む前とまったく変えてくれる1冊です。