どうも、タイヘイです。
しばらく前に最低賃金を1500円に!というデモがあったのを覚えているでしょうか。
賛否両論あって、ネットではその後年収に直したら300万円に満たないという計算もされていましたね。
今回僕は自身の大学時代の経験から、
10人に1人は新卒年収350万円以上が適切なのではないか?
という一つの仮説を立てました。
数字は簡単な掛け算だけでを使ってなるべくわかりやすく説明したいと思います。
偏差値60の市場価値は384万
僕は偏差値60前後の大学に通っていました。
受験で言うGMARCHレベル、学習院・明治・青山・立教・中央・法政レベルですね。
そうして在学中、卒業後に会社員になるまでいくつかアルバイトをしたわけですが、時給はさまざまでした。
コンビニが900円(深夜で1125円)、Web制作会社のインターンが800円、試験監督のアルバイトが1000円、その他派遣で単発のアルバイトが800~1000円といったところです。
これらはスキルがないゼロの状態で出来る仕事です(インターンは仕事しながら勉強といった感じでした)。
おおよそ時給は最低賃金をベースにしているのが分かります。
このことからもスキルなし=最低賃金というのは正しいようです。
その上で、他の仕事とは明らかに異なる時給のアルバイトが一つだけありました。
それは、家庭教師です。
大学が紹介してくれたり民間の会社を通して受け持ったりしていた頃は、初回だけお試しで時給1500円、次回以降は時給2000円(交通費別)ということが多かったです。
これはもし色々上手く行ってフルタイムで働けるとしたら、
2000円×8時間×20日=32万円。
年収に直すと32万円×12ヶ月=384万円にもなるのです。
もちろん移動時間とか準備の時間とかもありますが、合わせて1回につき1時間程度で済んでいました。普通の会社員として働くなら通勤時間と考えても良いはずです。
偏差値60というと100人中16人番くらいの成績です。
さらに現在の大学進学率は4割くらい。
1学年250人の高校3年生のうち、100人が大学に進み、16人くらいが先程の計算から384万円の市場価値を持つことになります。
これだと全体の6~7%くらいですが、もっと偏差値の高い東大の家庭教師だと時給が3000円とかになったりします。
さらに全体の科目の偏差値が55くらいでも、英語だけめちゃくちゃ出来る子とかは時給2000円で仕事が見つかったりするので10人に1人くらいは384万円の市場価値があると見なして良いと思うのです。
これは大学中に学んだことは入っていない、受験勉強で得たスキルを使った仕事なので本来新卒の市場価値はもっと高いかもしれませんね。
問題の根本は価値の評価が適切な頻度で更新されないせい
ではなぜ新卒の給与はそこまで高くないのでしょうか?
コンサル系などごく一部を除いて、偏差値60前後の母校に来ていた求人や採用実績を見ると月収20万×12ヶ月=240万に賞与が3ヶ月分で300万が一つの基準になっていると思います。
実はこれ、新卒採用にかかる費用が50万くらいと言われているので合計すると企業が払う金額が350万くらいになってバランスが取れているんです。
2年目は昇給とか夏のボーナスが増えたりすることが多いので、順調に増えたとして330万とか多分それくらいじゃないでしょうか。
それでもまだ大学在学中の家庭教師の時給に負けていますよね。
これはなぜでしょうか?
考えられるのは2つ。
1つ目は優良企業でも離職者はゼロにならないのでその分を織り込んで給与が割り引かれているということ。
働いている方からしたら納得はできないのですが、これは退職金でバランスを取っている会社もあるのでそう考えると全然考慮されていないわけではありません。
2つ目は税金の負担分があるということ。
会社は社員を雇うのに給料だけ払っているのではなく、社会保険の一部を負担しています。
割合としては15%ほど。額にすると、年収300万円の社員を雇うのに345万円出費がある計算になります。
しばしば社員を一人雇うのに給料の2倍が必要などと言われますが、それは事業に必要なオフィス製品とか色々な経費を含んだ金額です。
本質的には給与とこの会社負担の税金だけを考えるべきだと思います。
少し話がずれましたが、どうやらこの税金の負担分が家庭教師の時給に負けている理由と考えて良さそうです。
ただ、これは条件が良い場合の話。
実際には一般的な中小企業とか、アルバイトとかはここまで条件はよくありません。
でもそれっておかしいような気がします。
コンビニでアルバイトをしていたとき、覚える仕事は結構たくさんありました。
- レジ打ち(公共料金・タバコ・切手&はがき・商品券・通販・各種チケットの発券対応)
- ホットスナック(おでん、肉まんなどの対応)
- 宅配便受付
- 必要に応じてコピー機対応
- 品出し
- 掃除(時間によって。ホットスナックの容器の掃除含む)
ぱっと思いついただけでこれくらいあります。
ほとんどレジ打ちしかできなかった研修期間を終えると時給が50円上がりましたが、その後は色々出来るようになっても1度も時給は上がりませんでした。
そう考えると、コンビニのアルバイトだけに限らず、会社もそうだと思うのですが問題の根本はスキルの価値が適切な頻度で再評価されないことではないでしょうか?
もちろん売上が上がらないと給料は増やせないという反論もあると思いますが、別に売上が上がっても給料ってほとんど増えないですよね。
年末年始にシフトに入ったら昼間でも時給がアップしたことはありましたけど、店の近くでイベントがあったときにめちゃくちゃ忙しかったときは同じ時給でしたもの。
会社に都合が良いときだけダブルスタンダードでいられてもなあ……って思います。
以前より転職する人が増えたとはいえ、日本はまだまだ労働の流動性が低いです。
文句があるなら辞めれば良いと言う人もいますけど、いやいや、その前に企業が人材に対して正しい評価(=給料アップ)をした方が無駄な転職とそれに伴う採用活動が減って社会全体としては無駄が減って生み出される価値は大きくなるはずです。
会社との力関係ってどうしても個人が弱い部分です。
コンビニが統合されたり外食がチェーン店ばっかりになっているのを見ると、少数の大企業が力を持つ時代になりつつある気もします。
規制しても抜け穴を探すいたちごっこが続くだけなので、国はそのあたりを考えて企業が人に給料を払うことでメリットが有る税制を作った方がいいと思ったり。
まあ現実はなかなかすぐには変わらないので、僕たちが個人で不合理に対処する一番早い方法って副業になってしまうんですが……。
スキルを得るのにかかる時間から考える生存戦略
では、偏差値60の学力というのはどれくらいの時間で得られるスキルなのかからこの問題のヒントを考えてみます。
私立大学の入試に多い英語+2科目の3科目で受験に挑んだ場合を考えてみましょう。
英語の偏差値60は、TOEICだと500~600点くらいの感覚です。
(僕は英語は比較的得意だったので偏差値65以上、センター試験で筆記190点以上、リスニング40点以上、大学入学直後に勉強せずに受けた初めてのTOEICで680点くらいでした)
TOEIC600点に必要な勉強時間は700時間くらいとのこと。
中学高校の授業と受験勉強を合わせると考えて、最大限効率良く学ぶとすれば多分合っていると思います。
これが一つの基準になります。
もし他の科目も出来るようになるのに同じだけ時間がかかるとしたら700時間×3科目で2100時間です。
8時間+残業1時間で1年働いた場合、この勉強時間と等しくなります。
実際には国語は普段から読み書きをしていて、英語と違ってゼロからのスタートではありません。
また、理科や社会系の科目は範囲が絞られており英語ほどの勉強時間はかかりません。
おそらく、英語700時間、他2科目が500時間くらいずつで合計1700~1800時間で偏差値60の学力を得られるのではないでしょうか。
つまり学力をスキルに近しいものとして考えた場合、年収350万~400万くらいのスキルは効率よく学べば1年で身につけることができると考えることができるのです。
スキルゼロの場合が最低賃金で時給800円とするなら家庭教師の時給2000円はその2.5倍。
年収だと200万円くらいの差です。
副業として人気のブログとかアフィリエイトならこの時給から生まれる差額をスキルを得るのに使う時間と同じ1800時間も注げば、普通に昇給を待つよりも早く結構な割合でこの金額を得ることができるのではないでしょうか。
実際には仕事しながら1年では厳しいので2,3年かかると思いますが、お金のことをちょっと考えたらそういう選択もありだよ、と思うのです。
ありがとうございました!
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