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【ハンター×ハンター考察】H×H最大の謎、ジャイロとは何者なのか?物語ラストまでを展開予想する

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魅力的な世界観、個性的なキャラクター、圧倒されるほど深い物語。

 

熱烈なファンを多数抱える人気少年漫画『ハンター×ハンター』。

 

そんなハンターハンターの中でも人気の高いキメラアント編において、突如として出てきた謎に包まれたキャラクター「ジャイロ」のことを覚えているでしょうか?

 

今日は連載再開に向けて何故キメラアント編でジャイロの存在が語られたのか。

そしてそこから読み取れたことを踏まえて物語ラストまでの展開予想をしてみようと思います。

 

※まだ単行本になっていない部分のネタバレを含む可能性がありますのでご注意下さい。

 

キメラアント編における、異質で一見無意味なエピソード

ジャイロの存在が明確に語られたのはキメラアント編においてですが、そのエピソードはどこか異質さを感じさせるものでした。

 

同じように出てきたキャラの中で過去語りがあったキャラと言えばグリードアイランド編でゴンとキルアの修行相手にビスケが選んだ、ハサミを使う念使いビノールトがいましたね。

 

ビノールトの場合、明確にゴンとキルアに絡んでおり、その後の登場はありませんが何となく改心を予感させるような流れでした。

 

一方でジャイロは、後述しますがメルエムの記憶を取り戻す遠因にはなっていても物語の中で明確に誰かと絡んだりしっかり顔が描かれてはいません。

 

そう、ある意味でキメラアント編のあの場面でジャイロの、しかも過去について語る必要は無かったのです。

 

では何故ジャイロについて語る必要があったのか?

 

それはキメラアント編のテーマと結末から考えると、ジャイロこそがハンターハンターにおけるラスボスとなる可能性が見えてくることと関係しています。

 

タコに魅力がない理由。ウェルフィンの持つ二面性と奥深さ

キメラアント編では様々なキャラクターが登場しました。

中でも新キャラで出番が多かったのがタコ(イカルゴ)。

 

イカルゴは殺人を忌避し、キルアの生き方に憧れてゴン達の仲間になりました。

宮殿突入後はパームの救出の役割を与えられており、ブロヴーダとウェルフィンと対峙するなど尺が多く割かれていたのが印象的です。

 

結果として、タコの行動によってウェルフィンが人間の記憶を強く思い出し、メルエムを記憶を取り戻すことに繋がったことを考えると陰のMVPと言っても良いかもしれません。

 

しかし、私の知る限りではこのタコ、出番の割に人気がないのです。

 

もちろん見た目などの要素もあると思うのですが、ネタキャラとして愛されている「手刀を見逃さない男」やグリードアイランド編のボスとして魅力的なゲンスルーなどに比べるとあまりにファンが少ない。

 

逆に、ウェルフィンはメルエムと対峙した際はそれまでの格好いい姿から老いたチワワのような姿になってしまいましたが、むしろ良いキャラをしていると感じた人も多かったのではないでしょうか。

 

この違いは何なのか?

 

それはやはり、キャラクターの性格や行動原理といったものの奥深さの差だと思います。

 

イカルゴやコアラのキメラアントがキルアやカイトに感化されて彼らの真似をするようにそれまでと行動を変えたのに対し、ウェルフィンがメルエムに対峙したときの行動はあくまでウェルフィン自身の中から出てきたものでした。

 

もちろん、ウェルフィンもジャイロの影響を受けてはいるのですが、生き方そのものを真似しているという感じではありませんでした。

 

王として認めたのはジャイロだけ。

だからメルエムには殺されても従えないという意地を通したのが、それまで見せてきた狡猾な性格とはギャップを生み、結果としてキャラクターに奥行きを出したのだと思います。

 

 

ジャイロの話をするのに最初にウェルフィンとタコの差について触れたのは、もちろんウェルフィンとジャイロがほとんど唯一繋がりがあるキャラということもあります。

 

ですがそれ以上に、

「行動の原理が自分の外にあるか中にあるか」

ということがこれからの展開に大きく関わってくると思うので最初に触れざるをえなかったのです。

 

貧者の薔薇が無かった場合にあり得たかもしれない「人類との共存ルート」

昔放映されていたフジテレビ版ではなく、新しい方の日本テレビ版アニメでは物語はキリの良いジンとゴンの世界樹の会話で終了しています。

 

正直なところ、ここで原作も物語が終わっていた可能性はかなり高かったように思います。

 

ですがまだ続いているということは、ジャンプというか集英社の商業的な理由もあると思いますが、それ以上に作者の冨樫先生にはまだハンターハンターで語りたいことがあるということだと私は考えています。

 

 

キメラアント編では多くのキャラクターが敵味方を問わず、命を失いました。

 

ただ、もしかしたら少し展開がズレていたら全然違う結末になっていたのではないかとも思うのです。

 

その最たるものが「貧者の薔薇(ミニチュアローズ)」の存在の有無です。

 

全盛期を過ぎたとは言え、人類では最強クラスに間違いないネテロですらメルエムには手も足も出ませんでした。

 

さらにメルエムはネテロ戦後、貧者の薔薇で大ダメージを受け、そこからモントゥトゥユピーとシャウアプフの一部を補食することで覚醒。

ほとんど手のつけられない化物へと成長を遂げます。

 

特に圧巻だったのが、それまで無敵と思われていたナックルとメレオロンのコンビを円によって瞬殺しているシーン。

 

このシーンの存在により、搦め手も含めて覚醒後のメルエムを倒せる可能性は皆無だったと言って良いでしょう。

 

ではもし、この状況で貧者の薔薇が無かったら?

 

アルカに取り付いたナニカの能力のような対処の可能性はありますが、キメラアントの王国ができていた可能性もあったのではないでしょうか?

 

しかし、物語的にはコムギの存在によってメルエムが人類に対して完全に敵対するというルートは考えにくいものとなっています。

 

この場合、キメラアントの王としての理想を描くシャウアプフの動向も非常に気になりますね。

 

まあそれは置いておいて、貧者の薔薇が無かった場合、争いながらも人類とキメラアントが共存する世界を示唆して物語が終わったかもしれないと思うのです。

 

特にこの共存終了ルートに繋がりそうなのが、ブロヴーダがキメラアントになったレイナを村に連れて行くシーン。

 

キメラアントの登場で命を失った兄妹の一人が、姿を変えながらも元の場所に戻り、母親に受け入れられる。

 

そこにはレイナだけではなくブロヴーダの存在を受け入れる空気もあり、NGLという限られた土地の話ではあるけれど、人間とキメラアントの共存の可能性が垣間見えるのです。

 

(もちろん共存ルートの場合にはゴンとネフェルピトーの関係にどう決着をつけるかという問題もありますが……)

 

では何故ジャイロの話をするのに貧者の薔薇について触れる必要があったのか。

 

それはラストシーンの予想と今後の展開に関わりそうなキーワード、

「人間の底すら無い悪意」の象徴が貧者の薔薇であるからです。

 

「暴力」を越える「底すら無い悪意」の象徴としてのラスボスがジャイロである可能性

そもそも、メルエムはハンターハンターの主人公をゴンとして見るのであれば、ラスボスとしては少し方向性がズレています。

 

ゴンに取ってのラスボスはキメラアント編ではネフェルピトーであり、物語を通じて見ると暗黒大陸編までは「ジンを見つけること」がラスボス=目標だったのです。

 

物語的に見ると、キメラアント編まででゴンはいくつもの人間の悪意と対峙してきています。

 

ハンター試験でのトンパ、キルアを支配するイルミとゾルディック家、ヨークシン編における敵である幻影旅団、自らの欲のため多くを殺したゲンスルー、そして人類全体に影響を与える可能性のあるキメラアント。

 

しかしそのどれもを何とかゴンはくぐり抜け、ついに目標であるジンとの再会を果たしました。

 

でも、よく考えるとジンに会えたのはゴンが頑張ったからではなく会長選挙があったからなわけで、決して主体的な行動の結果ではないのです。

 

ちなみにフジテレビ版と日本テレビ版の間にあったOVAだとグリードアイランド編が描かれています。

原作だとカイトと出会ってキメラアント編に繋がるわけですが、OVAだとジンに会えた可能性を残したまま話は終了。

このことから、グリードアイランドを攻略した時点でゴンがジンに会う資格はあると考えることもできなくはありません。

 

ただこの場合、ゴンはジンの敷いたレールの上をなぞっただけで人間的にはほとんど成長しないまま物語が終わってしまうのも事実。

 

冨樫先生は、

ハンター試験ではドキドキ二択クイズ、

その後のヨークシンでヒソカや幻影旅団という悪とは一概に断じることのできない存在を示し、

グリードアイランドでは自分には関係ない悪のレイザーやゲンスルーとの対峙と赦しを描き、

キメラアント編で王に仕えるネフェルピトーという「仲間思いの敵」の存在を示してゴンの価値観を揺さぶってきました。

 

そう、物語的にはジンに会うことそのものよりも、ゴンの精神的な成長にどう決着をつけるか?が課題なのです。

 

この点、キルアを主人公と見ると

殺し屋にはなりたくないという動機から始まり、

ハンター試験での失格と成長後の合格、

ゴンを守るために勝てない敵との戦闘を選択した結果のイルミの針からの解放、

選挙編でアルカと一緒にいるという目標の発見とそれに伴ってゴンとの別れの選択という成長を描ききっており、

暗黒大陸編前に物語は完結していても過不足がありません。

 

 

ではゴンの物語にどう決着をつけるのか?

 

 

ビヨンドが出た後に存在が明らかになったネテロの遺したビデオレターは、暗黒大陸で求められるものはネテロの求めた強さとは異なるものだと語っています。

 

これはキメラアント編で語られた「暴力」という単純な尺度ではなく、それ以外の何かが今後の物語ではキーワードになっていくことの現れではないでしょうか?

 

そしてそうなってくると、ゴンの向き合うべき最後の課題=ラスボスは「暴力」の化身であるメルエムを滅ぼした貧者の薔薇に象徴される「人の底すら無い悪意」ではないかと思うのです。

 

そしてその象徴としてふさわしいキャラクターが、世界に悪意を振りまきたいというかっこした信念を持つジャイロではないかと私は予想しています。

 

ハンターハンターにおけるリーダー論と重要な資質

ここではジャイロ以外にもハンターハンターにおいて存在感のあるキャラクター達を主にリーダー論的な側面から比較をしていきます。

 

というのも、少数精鋭による戦いが中心だったキメラアント編とは異なり、暗黒大陸編以降では幾多のキャラクターが入り混じった複雑な展開が予想されるからです。

 

勢力争いなども考えると、誰がトップに立つのかというのはそれがラスボスであるかに関わらず重要なポイントになると思うのです。

 

ジン・ネテロ・メルエム・クロロ・パリストン・ビヨンド・ジャイロの比較

出てきたキャラの中で組織のトップに立ちそうなのは(既に死亡したメルエムを含めて)主に上の7人ではないでしょうか。

 

この7人を比較してみると、それぞれに共通した特徴やパターンがある程度見えてきます。

 

ポイントは、

好きなことをして生きていく

優れたカリスマ

異質な価値観

の3点です。

 

7人が好きなことをして生きているというのは分かりやすく、メルエムも当初は使命感というか当たり前に世界征服を志向していましたが最期はコムギとの時間を優先しました。

 

一見人望の無いジンもサトツさんのようにファンは大勢いるようですし、パリストンも大派閥の長である以上、利害関係以外に付き従う人間がいると思われます。

 

異質な価値観も好きなことをするというのに近いものがあり、この7人に共通しています。

 

暗黒大陸編で言うと、さらにカキン王子のツェードニヒあたりもこの中に入ってくると思われます(後で触れます)。

 

ビヨンドとパリストンあたりはラスボスになってもおかしくないと思うのですが、次にお話する「軸のブレなさと頑強さ」を考えるとやはりジャイロがラスボスになるような気がしてなりません。

 

ナックル・シュート・パーム・ジャイロ。名前が語る最も重要なもの

キメラアント編で出てきた上の四人には、野球の変化球から取られた名前がつけられています。

 

そして、ジャイロ以外の3人を見るとその名前と動きが見事に符合しているのです。

 

ナックルは一部ファンから「戦犯」呼ばわりされるほどキメラアント編で行動がブレブレでした。

これは不規則な変化をするナックルボールにピッタリ。

 

シュートは当初弱い所を見せていましたが、自分よりも弱いゴンの行動を見て奮起。

結果、モントゥトゥユピーとの戦闘では実力以上の力を発揮。

まさに癖のある一部では魔球とも呼ばれるシュートボールのような活躍を見せました。

 

パームは感情の起伏が激しかったのは相変わらずですが、キメラアント化しメルエムとコムギの最期の姿を見届けた唯一のキャラクター。

もうキメラアントは終わっていると他に告げ、涙を流して二人を見届けたその姿は「手のひらで包む」というパームの語源にふさわしいもののように思えます。

 

こうして考えてみると、ジャイロという名前にも性格のようなものが現れているように思えます。

 

ジャイロボールやジャイロ効果に使われるジャイロという言葉は、高速で回転することで軸がブレないことを指しています。

 

そう考えると、一人自分の道を進んだジャイロはまさに軸がブレていません。

 

ネテロやクロロ、メルエムはリーダーになることで自分の本当にやりたいこととやらなければいけないことが微妙にズレていたりすることがありました。

 

パリストンの思想はネテロありきなところがあったので今後どうなるか分かりません。意外と脆いところがあるような気もしています。

 

その点、ジンとビヨンドはかなり好き勝手をしている印象。

 

ジャイロにはこの二人と同じようにあるいはそれ以上に、いちばん重要なこの軸の部分の強さがあるように感じるのです。

 

そしてジャイロが向かったと考えられる流星街ではキメラアントによる被害とクロロによる長老の殺害による混乱が続いており、そのブレない悪意をバラ撒く準備にぴったりな環境が揃っているように思えてならないのです。

 

一度はNGLを作り上げたジャイロです。

混乱した流星街でのし上がるどころか、キメラアント化して得た念を使って住民に選別を行う可能性すらあるのでは……?

 

連載再開に向けて、ラストまでの展開予想

さて、いろいろとジャイロについて考察をまとめてきました。

 

ここまでの結論としては、

「人の底すら無い悪意」の象徴としてジャイロがラスボスになる可能性がある。

物語を締めるためにゴンの精神的成長を描く展開が必要。

という2点が出てきています。

 

では、連載再開前までの情報をもとにしてラストまでの大まかな展開を予想してみましょう。

ゴンが再び主人公に返り咲くために越えるべき3つの壁

暗黒大陸編に入り、主人公のポジションはほぼクラピカに移ったと言っても良いでしょう。

クラピカの問題ももちろん解決する必要があると思うのですが、それについては次の項で触れます。

 

まず展開として、ゴンが主人公ポジションに戻る必要があるわけですが、これには3つの解決すべき問題があります。

 

それは、

物理的な距離をいかに埋めるか

行動原理・理由をどうするか

力=念能力を取り戻す方法

の3つです。

 

物理的距離は、ゴンのいるくじら島と暗黒大陸編との物理的距離をどう移動するか。

行動原理は、どういう理由で暗黒大陸編にゴンが向かうことになるのか、加えてジャイロとどういう経緯で敵対するのか。

力=念能力は、敵を倒すあるいは身を守るための手段の確保をどうするか。

 

特に物語的には行動原理と念能力を取り戻す方法が非常に重要です。

 

それでは順に考えていきます。

 

距離と行動原理を埋めるためにクラピカは死ぬ

ハンターハンターの主人公は誰かと聞かれたら、それはゴンと答える人が多いでしょう。

ですが、もし主人公が複数いると考えたらゴン・キルア・クラピカ・レオリオの四人と答えるのが自然だと思います。

 

そして物語的にはレオリオの目標はハンター試験合格で既に果たされており、キルアの目標も先に触れたようにアルカと一緒にいるというやりたいことを自覚することで果たされています。

 

つまり、主人公4人の内で目標が果たされていないのはゴンとクラピカの二人なのです。

 

ゴンについてはジンとの再会を果たしたので終了しても良いのですが、まだ物語全体としては精神的成長が描かれていません(そのための暗黒大陸編?)。

 

一方でクラピカの目標は緋の眼の回収と幻影旅団の壊滅です。

グリードアイランド編とキメラアント編の裏側でクラピカは緋の眼の回収をほぼ済ませており、後は暗黒大陸編の新キャラであるカキン王子ツェードニヒとの対決で回収は完了すると見て良いでしょう。

幻影旅団についてはヒソカにより一部旅団が殺害され、クロロが暗黒大陸編に向かう描写からこちらも合わせて一気に片付く可能性も出ています。

 

つまり、クラピカの目標は暗黒大陸編で成功にせよ失敗にせよきちんと片がつくことがかなりの確率で保証されているのです。

 

しかしゴンが主役に戻り暗黒大陸編に向かうことを合わせて考えると、どうしても仲間=クラピカのピンチを助けに行くというのが自然になってしまうのです。

 

そしてその場合、クラピカの問題を解決して終わりよりも、クラピカが死ぬことで戦い続ける理由が出来るほうがありそうだと私は考えています。

 

このクラピカ死亡説に関しては2つの推測の根拠があり、

一つは映画版で配られた冊子に旅団とクラピカがどうなるか?という質問で「全員死ぬ」という冨樫先生からの解答があったこと

もう一つは冨樫先生の作品「幽遊白書」でも4人のメインキャラの内、一人が死ぬ展開を描こうとしてたフシがある(暗黒武術会と仙水編での扱いから魔界編で実質退場していた点)

からです。

 

ここまでで私の考える話の流れとしては、

 

  1. 継承戦でツェードニヒが非常に強力な力を得る(クラピカピンチ)
  2. どこでも通じる携帯のおかげでレオリオ経由でピンチを知ったゴンが暗黒大陸に向かう
  3. 合わせて旅団を倒すチャンスが訪れるが実はツェードニヒの罠。クラピカ死亡(+旅団全滅)
  4. 間に合わなかったゴンが敵討ちのためにツェードニヒと戦う

 

という展開です。

 

ジャイロじゃなくてツェードニヒがラスボスじゃん?

と感じるかもしれませんが、この後の説でこの流れに修正と追加していきます。

 

(ツェードニヒに関しても実はかなり重要なキャラだと考えているので、きちんと触れていきます)

 

ジャイロが表舞台に立つための3回目のハンター試験

さて、ゴンが主役に戻ると同時にラスボスになるためにはジャイロも暗黒大陸に向かう必要があります。

 

ジャイロに関しては、

「宇宙は俺に興味がない」ことを知り「悪意をばらまきたい」という行動原理

キメラアントになったことによる戦闘力

が与えられているので実はラスボスになるための要素はかなり揃っているのです。

 

さらに具体的に暗黒大陸編を目指す理由と師団長が結局ハンターや旅団に狩られたことから戦闘力を増やす必要性があるとしましょう。

 

こうなってくると、キメラアント編の負の遺産である選別された人間の繭と、会長選挙編で触れたハンター試験をめぐるパリストンの暗躍を考えると想像がしやすいです。

 

 

  1. ハンターにもっと高い戦闘力を求めるパリストンがキメラアントに試験の参加を許可
  2. ジャイロが悪意をバラ撒くために「リターンの悪用」を考えて暗黒大陸編に向かうことを決意し、ライセンス取得のためハンター試験に参加
  3. ライセンスを取得し、裏試験で念のレクチャーを受けて強化されたジャイロが暗黒大陸に第二陣として出発

 

 

こういう展開になってくると予想しています。

さらに付け加えると、ライセンスを取ったキメラアントの一部を束ねて組織としての力を手に入れる可能性も低くないのでは?と考えていたりします。

 

こうしてみるとジャイロが暗黒大陸に向かう展開というのは結構ありそうだと思いませんか?

 

作中最高の才能を持つカキン王子ツェードニヒ。才能はより強い才能に敗北する

ここで話をゴンとクラピカ中心に戻します。

 

ゴンが主役に戻るために物理的な力ももちろん取り戻す必要があります。

 

展開としては、

すでに一度身につけたものなので前よりも速くある程度までのレベルに達する

念に関連した手段で以前のレベルまで一気に戻す

が考えられます。

 

キルアと別れた以上、すぐにアルカの力を使うことはないと思います。

なので、暗黒大陸に向かうまでにキメラアント編の宮殿突入時よりも落ちるが(当然ゴンさん状態ではない)、それなりに戦える状態まで自力の修行で戻したとしましょう。

 

修羅場は経験してきたゴンです。

クラピカを助けるため、ツェードニヒと戦うことになったら自信もあるでしょう。

 

 

しかし、精神的な成長を描くとすればここで一度敗北するのが自然な流れではないでしょうか?

 

 

ここで戦闘力の話。

 

ハンターハンターではどのキャラがどれくらい強いか?

という議論がファンの間ではよくなされていますが、この観点からするとカキン王子のツェードニヒは作中で人間としては最高の才能を持っているのではないか、と私は考えています。

 

才能については、ズシが10万人に1人、ゴンとキルアが100万人に1人と天空闘技場編で語られていましたね。

 

また、ポックルやレオリオはゴンとキルアよりも才能は下、ハンゾーとクラピカは二人と同程度であってもおかしくないという推測が修行の途中経過から考えられます。

 

しかし作中でゴンが念をそれなりに使えるようになった1度目のハンター試験後から2度目のハンター試験(グリードアイランド終盤)までに1年が経過するとするなら、暗黒大陸に向かう船の中であっという間に念の基礎を身に着けたツェードニヒの才能はそれよりもさらに上だと見てもおかしくありません。

 

そうなると、ゴンはここで初めて自分より才能が上(実力ではなく才能)であり、さらに人間としての悪意を持つ敵と対峙することになるのです。

 

ツェードニヒに関しては自身の才能に加えて、継承戦を通して念獣の力で実力が底上げされるのも十分にありそうです。

こうなればゴンが敗北してもおかしくはありません。

 

そして、この敗北時にゴンの命を守るためクラピカが死ぬという展開を私は予想しているのです。

 

「何にでも染まりうる」がゆえに悪落ちする主人公

ゴンの危うさに関してはゼパイルやメレオロン、カイトが触れており、実際にネフェルピトー戦でそれは現実のものとなりました。

 

しかし、カイトの死に関してはジンの言葉と実際に生まれ変わったカイトの存在で解決したと見るには甘いと私は思うのです。

 

というのは自分で吹っ切れたわけではなく、外から解決策が与えられただけだから。

 

そこに強大な敵と仲間の死がもう一度重なったら?

 

ここで「人間の底すら無い悪意」ジャイロの存在が出てくるのです。

 

第二陣として暗黒大陸編に向かったゴンとジャイロが出会い、勢力を強化するためにジャイロがキメラアント討伐の実績を持ち、さらに精神的には未熟でショックを受けているゴンを取り込もうとする。

 

ジャイロの能力が味方の能力を伸ばしたり引き出すタイプのものならありそうだと思いませんか?

 

そしてジャイロによって与えられた圧倒的な力でゴンがツェードニヒを倒し一段落。

暗黒大陸でリターンを得るという本筋の流れになり、利害関係があり別の勢力なジンに視点が切り替わると私は考えています。

 

「やりたいことのないゴン」と「やりたいことしかない大人たち」

ゴンについて考えると、行動が流されるままに思えることが多々あります。

そもそもからしてジンに会うという目標はあっても、その後の目標が無いのです。

(これはクラピカにも同じことが言えると思います)

 

逆にジンやビヨンドに関してはやりたいことが自分軸でハッキリしています。

 

これがゴンやクラピカの精神的な弱さの原因であり、展開予想でゴンが悪堕ちする理由なのです。

 

ジャイロの強さもおそらくキモはその軸のブレなさ(善悪とは無関係)。

 

なら、悪堕ちしたゴンがジャイロから離れる、もし操作系なら支配を克服するにはどうしたら良いのか?

 

こうなってくるとハンターハンターの能力名が意志を表す「念」というのは実によく出来ていると感じますね。

 

悪意に対抗するのは善意ではなく「意志=念」

ゴンが自分を見つめ直し、精神的に強くなるには方法が二つあると思います。

 

一つは周りの人を見て、その生き方やあり方から学ぶこと

もう一つはいままで自分がしてきたことを振り返ること

です。

 

1つ目はジン視点に切り替わったあと、親子ではなくハンターとしてのジンのあり方を一度敵対して見ることで物語的にも非常にすんなりいくように思います。

 

ここでジャイロから離れ、ようやくラスボスとして敵対する流れになるわけですね。

 

そしてさらに2つ目としてジャイロの「人間の底すら無い悪意」を越えるために、今までやってきたことを振り返ります。

 

ハンターハンターが面白いのは、必ずしも正義が勝ち悪が負けるというわけではない点もその理由の一つです。

 

トンパが生き残っていること、カストロ対ヒソカ、陰獣の瞬殺、ゾルディック家の存在、ポックルの衝撃的シーン、カイトの死、誠凛隊の壊滅、ゴドーの死など善悪と勝敗は常にぐちゃぐちゃです。

 

では何が明暗を分けるのか。

 

純粋な力や準備の周到さに機転。

それもありますが、一番重要なのは意志の強さではないでしょうか?

 

そもそもハンターハンターの力は「念」という言葉に象徴されています。

 

クラピカの師匠であるイズナビも話していたように「念」の強さは簡単に上下します。

ならそれを安定して強くするためには?

 

自分の強さを疑わないヒソカ、ハンターとして常にベストを尽くすモラウ、やりたいことのブレないジンやレオリオ。

 

ここにきて初めてゴンは自分のやりたいことが何なのかを真剣に考えるのだと思います。

 

そしてゴンの「何がやりたいのか?」という答えから2つのラストシーンを私は予想しています。

 

ハンター世界は「もう一つの地球」なのか?2パターンのラストシーン予想

ちょっと話はズレますが、作中で気になっている伏線が一つあります。

 

それはヨークシン編でウヴォーギンがクラピカに殺された後の団長の言葉。

「ユダはキリストを銀貨30枚で売った」

です。

 

これ、もしかしたらハンター世界が私達のいる世界の未来とかパラレルワールドである可能性を指している可能性があるのではないかなと思うのです。

 

歴史とか世界の秘密的にはちらっと出てきたドン・フリークスの存在とかも関わってくるかも?

 

これ自体は面白い話ですが、ラストにぶち込んでくるとしたら収集がつかなくなる感じもしますよね。

 

ただ、ラストシーンを考える上では未知を求めて外の世界を目指すという展開で結構作りやすい感じはします。

 

 

ここでラストシーンの展開予想は2つ。

 

パターン1

 

  1. ゴンがやりたいことを見つけるために今までを振り返る
  2. いろんな人に会ったりもっといろんな冒険をしたいと気づく
  3. 自分以外にも視野が広がる。ジャイロの行動原理を考え、ジャイロのことに初めて興味を持った人間になる
  4. ラストバトルはなしで和解orゴンがジャイロを説得するに値する価値を示すため力を証明して和解
  5. 暗黒大陸を旅したり世界の秘密を解き明かすために旅立つ

 

 

パターン2

  1. ゴンがやりたいことを見つけるために今までを振り返る
  2. そんなにすぐやりたいことは分からない
  3. ナニカの暗黒大陸との繋がりでキルアが再登場
  4. すぐにやりたいことが見つからなくてもいいのだと気づく
  5. それを教えてくれたキルアや自分が今まで出会ってきた人に「感謝」するために今まで会った人にもう一度会いに行くことを決める(ネテロと同じ境地に立つ)
  6. ジャイロとのラストバトルに仲間と力を合わせて勝利する
  7. ミトさんに合わせるため、ジンを連れてくじら島に帰還

 

という2パターンです。

 

簡単にまとめると、

「人間の底すら無い悪意」を受け入れて越えていくパターン

人間に対する希望を力に変えて日常に戻るパターン

ですね。

 

どっちもラストの予想としてはそれなりに説得力のあるものになったと思います。

 

 

ラストまでの展開予想まとめ

さて、長々と考察してわかりにくくなってしまいました。

そこで最後に箇条書きでラストまでの展開をまとめてみます。

 

それぞれの根拠についてはここまでの考察と解説をご確認下さい。

 

継承戦以後のラストまでの展開予想:

  1. ツェードニヒが継承戦で勝利し、強大な力を得る
  2. 緋の眼を巡ってクラピカがツェードニヒと対立しピンチになる
  3. 船内に旅団の存在も明らかになり、レオリオがゴンを暗黒大陸に向かう第二陣に招集する
  4. 悪意をバラ撒くために「リターン」を求めてジャイロは暗黒大陸へ行くことを決意する
  5. パリストンの策略でキメラアントも受験が可能になったハンター試験を受けてジャイロが合格する
  6. ジャイロとゴンが暗黒大陸編に向かう第二陣に加わり移動を開始する
  7. 移動中も含めて修行をやり直し、グリードアイランド編以上宮殿突入時以下くらいまでゴンは力を取り戻す
  8. (この間に旅団はクラピカとヒソカによって狩りつくされる?)
  9. クラピカと合流し、ツェードニヒと戦うがゴンは敗北する
  10. ゴンを生かすためにクラピカが犠牲になって死亡する
  11. 力を得るためにゴンはジャイロの仲間になるor精神的に弱まっているところを支配される
  12. ジャイロの力を借りてゴンはツェードニヒを倒す
  13. 視点がジンに切り替わり、暗黒大陸探索編が始まる
  14. ジン・パリストン・ビヨンド・ジャイロ(+ゴン)が最低2つ最大4つのチームになって争う
  15. ジンはゴンと敵対し、除念ではなくそのハンターとしての背中を直接見ることでジャイロの支配から逃れる
  16. ゴンはジャイロを越えるために自分を見つめ直す
  17. パターン1とパターン2いずれかのラストへと続く

 

パターン1

  1. ゴンは「自分の軸=やりたいこと」を見つけるために今までを振り返る
  2. いろんな人に会ったりもっといろんな冒険をしたいと気づく
  3. 自分以外にも視野が広がる。ジャイロの行動原理を考え、ジャイロのことに初めて興味を持った人間になる
  4. ラストバトルはなしで和解orゴンがジャイロを説得するに値する価値を示すためラストバトルで力を証明して和解
  5. ゴンは暗黒大陸を旅したり世界の秘密を解き明かすために旅立つ

パターン2

  1. ゴンは「自分の軸=やりたいこと」を見つけるために今までを振り返る
  2. そんなにすぐやりたいことは分からない
  3. ナニカの暗黒大陸との繋がりでキルアが再登場
  4. キルアの言葉ですぐにやりたいことが見つからなくてもいいのだと気づく
  5. それを教えてくれたキルアや自分が今まで出会ってきた人に「感謝」するために今まで会った人にもう一度会いに行くことを決める(ネテロと同じ境地に立つ)
  6. ジャイロとのラストバトルに仲間と力を合わせて勝利する
  7. ミトさんに会わせるため、ジンを連れてくじら島に帰還

 

いかがでしょうか?

 

旅団まわりについてはまだクロロだけ生き残って共闘の可能性や、逆にヒソカと共闘or敵対する可能性など見えない部分が多いです。

また、パリストンやビヨンドについても不確定な感じですが、物語としては落とし所ができたのではないかと思います。

 

いずれにせよ、連載再開が楽しみですね!

 

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