4月1日はエイプリルフールよりも新年度の開始ということの方が多くの人に影響があるのではないでしょうか。
年や会社によっては1日から仕事というわけではありませんが、新社会人のためのちょっとした逃げ道を用意しようと思って会社を辞めるのに良いタイミングを考えてみました。
4月
入社おめでとうございます。これから社会人としての生活が始まります。
もし、実際の労働条件があらかじめ知らされていたものと異なる場合は危険です。
または12時間以上拘束されているのが普通の場合、これはほぼ過労死ラインです。
お給料が振り込まれるかどうかなど気にせず、命を守るためにすぐ逃げましょう。
実家や友人を頼っても大丈夫です。命以上に大切なものなんてありません。
頼れる人がいない場合でも諦めてはいけません。自治体やNPOなどが手を貸してくれるかもしれませんよ。
5月
お給料はちゃんと出ましたか?
そうですか、払われているなら一安心ですね。
でも、それだけで安心してはいけませんよ。
給与明細をチェックしてみましょう。
社会保険は払われていますか?
雇用保険とか健康保険とかの項目に数字が入っていて、その分お給料が引かれているなら大丈夫。
そうじゃない場合は会社としての基本的なルールを守っていない可能性が高いので詳しく調べて、必要なら逃げる準備をしましょう。
きちんと社会保険が支払われているなら一安心です。
ですが忘れてはいけないことがまだあります。
残業はカウントされていますか?
一定時間の、みなし残業制などあらかじめ合意があるなら良いのですが、労働条件と異なる場合はすぐ逃げることも考えましょう。
もし働き続けるならしっかりと残業時間をメモなどに残して、いざという時に法的な手段を取りやすくしておきましょう。
契約違反は労働関係だと甘く考えがちですが、あなたがもし大家さんなら最初の取り決めより毎月支払われる家賃が1万円足りないなら文句を言いますよね。
しかも向こうはそれをうっかりじゃなくて、わかっていてやっています。
専門知識がなくても大丈夫。
相談に乗ってくれるところはたくさんあることを覚えておきましょう。
7月
3ヶ月の新人研修が終わって本配属の人が多い時期です。
人間関係や業務内容がヤバイなと感じたら、まずは研修で一緒だった同期の人と話しましょう。
一緒に昼ごはんに行ったり、翌日が休みの日にちょっとだけ飲むとかあるいは夕食を誘ってみると良いと思います。
LINEとかSNSで相談すると形に残ってしまうし、面と向かっての方が相手の疲れ具合とか得られる情報は多いです。
その部署がヤバイのか会社全体がヤバイのかを見極めて逃げるかどうかを決めるといいですよ。
8月
夏休みは取れましたか?
会社が決めた数日の休みがある場合、または慣例的に土日を含めた1週間以内の有給消化が許される場合が比較的多いと思います。
業種特有の繁忙期などを除いて自分だけでなく先輩社員も全然取れていないとヤバイです。
盆暮れくらいは戻ってきなよと両親が心配しているかもしれません。
ずっと続くことは無理して我慢しちゃ駄目ですよ。
9月
お疲れ様です。
働き始めてから半年が経とうとしています。
多少は仕事にも慣れてきた頃でしょうか?
そろそろ1日くらい、なにもない日にあえて有給をとってみるのもいいと思いますよ。
特別なシフトや繁忙期といった明確な理由抜きに休みを取るシステムがない場合は注意です。
有給という制度がある以上はそれを取ること前提で仕事が回らないと本当はおかしいのです。
1月
年末年始はきちんと休めましたか?
サービス業などの場合はなかなか休めないかもしれませんね。
日付をずらして休みが取れれば良いのですが、それもない場合は要注意です。
12月に冬のボーナスは出ましたか?
普段のお給料だけでなく、あなたの働いた対価がきちんと貰えるかどうかは最重要ポイントの一つ。
契約では出るはずなのに出ないと会社の経営が危ないかもしれません。
ヤバそうなら年度末で逃げる準備をしましょう。
3月
1年間働いてきた感想はどうですか?
年間の残業を含めた労働時間、有給がどれくらい取れるのかといった数字で見れる部分。
人間関係や業務との自分の相性など、外からではわからない部分も多少は把握出来たのではないでしょうか。
本当にあなたは良く頑張りました。
もしかしたら、先はずっと長いということが頭をよぎるかもしれません。
一生ずっと今の会社にいると考えるとしんどいですよね。
でも、そこまで深く考える必要はありません。
あなたの両親が就職するときは誰も知らなかった新興の会社が、あなたが生まれた頃には大企業になり、そして舵取りに失敗してここ数年で大幅な人員整理をしたりあるいは潰れたりもしています。
先のことはわからないかもしれないけれど、1年間働けたあなたなら大丈夫。
途中で辞めてしまった人も、あなたが全て悪いというわけではありません。
試験の勉強や、慣れないエントリーシートや履歴書の作成、そして面接に何度も挑戦して頑張って入った会社です。
辞めたくて辞めたわけではないはずなのです。
新卒でなくなっても、公務員試験のような違う道や既卒の募集も実は結構あります。
これはあまり知られていないことですが、卒業した後も大学にある求人票を見せてもらえたり相談に乗ってもらえることもあるんですよ。
今のあなたは学生の頃とは違います。
実際に働いて、自分が仕事に本当は何を求めていたのかがわかったはずです。
その経験を活かしてもっと相性の良い仕事を探しましょう。
そして、1年間頑張ってきた人には実は秘密のボーナスがあります。
3月いっぱい会社に在籍していて、5月のときに話した社会保険にきちんと入っていれば会社を辞めても失業給付を受け取ることが出来ます。
お給料の全額ではありませんが、3ヶ月間生活費が出ると考えましょう。
実際に会社を辞める必要は必ずしもないけれど、3ヶ月生活費が貰えるって考えたら気持ちが少し楽になりませんか?
もし真剣に退職を考えている人は、実行は制度についてしっかり調べてから。
あと数日で失業手当てがもらえたはずなのに……。
ということがないようにしてくださいね。
最後に
何年か前の僕と、これから就職活動をする弟と、そして新しく社会人になる皆さんのためにこの文章を書きました。
僕自身には少し届くのが遅かったけれど、もし誰かの役に少しでも立ったらうれしいです。