この記事で分かること
・プリズナートレーニングを挫折せず進める方法
・毎日のトレーニングメニュー
・回数の増やし方、ステップの進め方
・具体的にステップ10をクリアするのにどれくらいかかるのか
ジムのトレーニングはお金もかかるし移動が大変。
最初は頑張ったけど、毎回のトレーニングがきつすぎて続かなかった。
でもやっぱりカッコいい身体を手に入れたい!
別にボディビルダーみたいな体型になりたいわけじゃないし、ジム通いやマシントレーニングは不必要かも?
手軽にできる自重トレーニングなら続くかも、プリズナートレーニングという本がどうやらよく売れていて人気みたいだ。
トレーニングのプログラムもレベル別で分けられていてわかりやすい、自分でもできそうだ。やってみよう。
でも、実際にやろうと思ったら、
初心者から中級者に移るときはどうしたら良いの?
ステップのレベルを上げるときはどうしたら良いの?
毎日取り組む種目の数や休みのとり方はどうしたら良いの?
そんな細かい疑問が浮かんでくると思います。
そんな疑問に答えるため、この記事の通りに進めていけば間違いない、
挫折しない、迷わない初心者向けのプリズナートレーニングの進め方
をまとめました。
(これは私が実際に試している方法です。
トレーニングの継続と合わせてよりよい方法になるよう修正をしていきます)
読むのが面倒な人のためのまとめ
・1回ずつレップス数を増やす
・毎日1種目行う
・基本の4種目の5ステップが全てクリアできたら追加の2種目に取り組む
・4種目の完成に5年、9年かけて6種目を完成させる計画(短縮版もあり)
回数の増やし方:1回のトレーニングで1セットを1回ずつ増やす
絶対に挫折しないため1回ずつ増やす
プリズナートレーニングの本の中でも何度も触れられているのが、
5ステップ目からできても飛ばさずに1ステップ目から始める
回数をこなせてもすぐに次のステップに進まずゆっくりと進める
といったトレーニングを焦らずじっくりと取り組む心構えです。
じゃあ、絶対に挫折しないためには具体的にどう進めていけば良いのか?
たどり着いたのが
1セットの1回ずつ増やしていく
というものすごくシンプルでわかりやすいルールでした。
具体例で言うと、
プッシュアップの場合、
ステップ1のウォールプッシュアップを
1周目:1セット1回 から始め、
2周目:1セット2回
……
10周目:1セット10回
11周目:2セット6回
(ここから中級者の標準。全セットの合計回数が前回より多くなるようにする)
12周目:2セット7回(各セット1回ずつ増やす)
……
31周目:2セット25回
32周目:3セット17回
(ここから上級者の標準。全セットの合計回数が前回より多くなるようにする)
33周目:3セット18回(各セット1回ずつ増やす)
……
64周目:3セット50回
65周目:次のステップにレベルアップ
ウォーミングアップ→ステップ1を20回と15回
トレーニング本番→1セット1回(ステップ2のインクラインプッシュアップ)
66周目:ウォーミングアップ→前回と同じ
トレーニング本番→1セット2回
といった流れで進めていきます。
(ウォーミングアップを入れることでステップがレベルアップしたときに負荷が急に下がるのを避けています。詳しくは毎日のメニューのところで説明します)
なお、各セット間のインターバル(休憩時間)については1分を標準としてください。
1回ずつ増やしていくのであればその程度の休憩時間で十分回復するはずです。
キツイと感じる種目では多少長くしても良いですが、5分を超えると休みすぎだと思ってくれれば大丈夫です。
(私の場合、ステップ1ではニー・タックのみ90秒、他は60秒にインターバルを設定していました)
一番大事な初期にモチベーションを保ちやすい
トレーニングを続ける上で、最初の1ヶ月から3ヶ月くらいは一番サボりやすい時期です。
トレーニングすることがまだ習慣になっておらず、今日は残業で疲れているからとか、ついyoutubeを見ていたら時間が遅くなってしまったとか、サボる理由を見つけたり言い訳をしてしまうのが人間です。
そんな中で、1回ずつ増やしていくなら最初の1ヶ月の毎日のトレーニングは1分もかかりません。
これなら言い訳なんてできないと思いませんか?
それにたった1回ずつでも「今日はトレーニングできた!」と思う成功体験がトレーニングに対するプラスの感情を呼び起こすようになりますし、あえて1回ずつしか増やさないと物足りなくて「早く次のトレーニングがやりたい!」という気持ちも生んでくれるのです。
このモチベーションの管理が非常に初心者には有効なのです。
関節・腱もしっかり鍛えられて柔軟な身体になるのでケガをしにくい
少し専門的な話になりますが、筋トレでは筋肉以外にも関節や腱(けん、筋肉と骨をつなぐ部分)といった部分も鍛える必要があります。
イメージとしては目に見える筋肉だけでなく、目に見えない関節や腱も一緒に鍛えていって柔軟な体を作り、ケガを防ぐ感じです。
筋肉は外から見えますし、頑張れば多少上のステップからでもトレーニングは始められます。
ですが、目に見えない関節や腱はどうでしょう?
思った以上に無理をさせて、ケガをしてしまうかもしれません。
それを防ぐためにもステップ1から飛ばさずに1回ずつ増やしていけば限りなくケガの危険性を小さくすることができるのです。
減量が必要な人も諦めずに済む
プリズナートレーニングでは種目によっては体重が一定以上だとたった1回でも行うのが難しいトレーニングが含まれています。
時間をかけてゆっくりと進めていくことで、そういった種目に到達するまでに自然と減量が進み、トレーニングを諦めにくくなります。
(実体験による補足)
私が試してみた結果では、ステップ1だとショルダースタンド・スクワットが一定以上の体重だと難しいと思います。
一方でステップ1ができなくても、ステップ2のジャックナイフ・スクワットはできる可能性があります。
私の場合はステップ1を壁で補助しながら進め、上級者の標準を超えたらステップ2にレベルアップ。
ですが完全に補助無しでできるまではステップ1も続けていく形を取りました。
プリズナートレーニングを始めてから少しずつ体重が落ち始めたので、いつかはできるようになるかと思います。
道具の準備を先延ばしできる
プリズナートレーニングは自重トレーニングなのであまりマシンや道具を多く必要としません。
ですが懸垂器具とバスケットボールを準備するのはちょっと面倒かもしれません。
(プルアップのステップ3から懸垂器具を、プッシュアップのステップ7からバスケットボールを本格的に使っています)
ですが、ゆっくりと進めることで道具の準備を先延ばしにすることができるのです。
でも結局いつか道具が必要になるんでしょ?
と思うかもしれませんね。
その可能性もありますが、1年以上トレーニングを続けて自分の身体が徐々に鍛えられているのを見た後なら道具を多少準備するのももったいなくないように思う気はしませんか?
あるいはそれだけの時間があれば(住んでいる場所にもよりますが)少なくない人が家から行ける範囲の公園を回って使えそうな鉄棒などの器具を見つけられるかと思います。
1年も続ければトレーニングに効果があるかわかるでしょうし、続けられたということは少なからず効果があったはずです。
先に道具を用意して途中でやめてしまう場合と比べれば無駄にならずに済むのです。
毎日のトレーニングメニュー:習慣化のために毎日1種目ずつ取り組む
トレーニングには毎日1種目ずつ取り組みます。
ステップが上がるとウォーミングアップに同じ種目のトレーニングも行うようになりますが、一番鍛えたいメインのトレーニングは1種目だけです。
これにはいくつかの意味があります。
集中力を上げて正しいフォームと負荷をかける
新しくやることがいくつもあると一つ一つの動作の正確さが下がってしまいます。
特にプリズナートレーニングでは普通1~1.5秒くらいで行う1回の動作を2秒動作・1秒静止・2秒戻す・1秒静止という6秒かけたスローペースで行うので動作の正確さや正しいフォームが重要になります。
こうすることで少ない回数でも負荷は飛躍的に高くなるのです。
普通の自重トレーニングに比べると回数に見合わない大きな負荷です。
大変なので種目も1度に増やす回数も少なくしようというのがこの進め方のいちばん重要なポイントのひとつです。
無料アプリを使ってトレーニングの動作スピードをコントロールする方法を解説しています。
ステップ1でも負荷がぜんぜん違うので試してみてください。
毎日取り組むことで習慣化しやすくして続けやすくする
普通、ジムに通うと多くても週3~4回程度、普通は週1~2回のトレーニングになると思います。
移動の手間や時間を確保することを考えると、どうしても1日にまとめていくつものトレーニングを行いがちです。
ですが、多くの人が習慣化している歯磨きなどは短い時間ですが毎日行っています。
頻度を増やすことで習慣化しやすく、サボりにくく続けやすくなるのです。
また、ステップ5が完了するまでは基本的に毎日1種目ずつ毎日トレーニングを行います。
毎回増やす回数は1回ずつですが、1周の回転が早いので成長を実感しやすくなっています。
ウォーミングアップの種目と回数
ウォーミングアップはメインとなる種目と同じ種目の既にクリアしたステップのものを行います。
回数とセット数は基本的に20回と15回の合計2セットです。
種目は各種目のステップ1~3から選びます。
自分で考えるのが面倒だという人は、
ステップ1をトレーニングする場合→ウォーミングアップ不要
ステップ2をトレーニングする場合→ステップ1を20回、15回
ステップ3をトレーニングする場合→ステップ1を20回、ステップ2を15回
ステップ4以上をトレーニングする場合→ステップ2を20回、ステップ3を15回
とすると良いでしょう。
冬で身体が暖まっていない場合、高齢の方がトレーニングする場合は3~4セットを行います。あくまでウォーミングアップなので回数は3セット目10回、4セット目5回と徐々に減らすと良いでしょう。
また、怪我の場合は痛みを感じない簡単な種目を30回程度行います(基本的には治るまでそもそもトレーニングをしないのをおすすめします)。
ステップ1に取り組んでいる場合は負荷が小さいのでウォーミングアップは不要で、トレーニング本番がウォーミングアップを兼ねます。
休みのとり方:休みは作らない
習慣化のために基本的に休みは設けず、毎日トレーニングを行います。
とはいえ、どうしても疲れてしまった日やどこかに出かけるなど普通と違う日は休んでも大丈夫です。
その際は習慣を途切れさせないため、2日連続では休まないことを決めておいてください。
あるいはどれか簡単な種目を1回だけ行うと決めておくルールも気持ちを途切れさせないためには非常に有効です。
また、基本となる4種目がステップ5まで完成したら2種目を追加します。
この記事の方法では1日1種目を変えないので、6日で1周が終わることになり、1週間に合わせるため1日の休みをそこで入れるのもよい方法です。
ステップ5が終わるまで数年かかるのでそこまで続けられた人なら多少習慣を変えても問題はないでしょう。
1回ずつ増やした場合のスケジュール
実際に1回ずつ増やしていったらどれくらいで6種目をマスターすることができるのでしょうか?
9ヶ月で基本の4種目のステップ1をクリア
プリズナートレーニングは低いレベルのステップの方が上級者の標準となる回数が多く、1回ずつ増やす方法だと最初は非常に時間がかかります。
しかしながらきちんとしたフォームと1回の動作の時間をカウントすると負荷はそれなりのものになるので、1回ずつ増やしていくのがむしろ正解です。
ステップ1のニー・タックはごまかしが効かないタイプのトレーニングなので、意識せずともかなり疲れるのを実感するでしょう。
逆にウォール・プッシュアップやヴァーチカル・プルは適当にやると何百回でもできてしまう種目です。
しっかりしたフォームなら中級者の標準である20回を2セットやるくらいになると筋肉の疲れを少なからず感じるはずです。
正しいリズムやフォームの重要性がわかりますね。
(個人的にホリゾンタル・プルができない人が多いのは難易度が急にあがる以外に、ステップ1で効果的なフォームや呼吸ができていないからも原因にあると考えています)
この期間に運動だけでなく食事を改善して、体重を適正なものにしていきましょう。
2年でステップ3までをクリア
ステップが増えるほど1回の負荷が増え、上限値は低くなります。
ステップ1でしっかり基礎を身に着けると同時にトレーニングを習慣化したらあとは順調に進めていくだけです。
2年あれば100キロ以上ある人も適正な体重にするには十分な期間だと思います。
本格的に負荷が高くなるトレーニングに向けてしっかりと準備をしていきます。
3年を前にステップ5をクリア。追加2種目を開始
ステップ5を見てみると部活や体育などで行った腕立て伏せなど一般的な自重トレーニングであるのがわかります。
一方で、やってみると種目は同じでもフォームや呼吸と動作のリズムが違うだけで負荷はまったくの別物。
負荷が高くても3年で一般的なトレーニングレベルというと大したこと無いように思いますか?
参考に中学1年の4月から3年の8月までに750日以上練習のあった私のブラック部活を思い出してみると、練習を頑張っていても3年の部員の半数はステップ5を正しいやり方でこなせないというのが正直なところです。
筋トレというのはそれだけ正しいやり方が大事で、学ばないと身につかないものなのですね。
いずれにせよ、基本となるステップ5までが終了し、追加となる2種目が新しく始まります。
この記事のやり方では今まで4種目を1日につき1種目ずつ4日で1周してきました。
ここからも1日1種目を崩さず、
6種目を1日につき1種目ずつ6日で1周
することにしています。
(ここまで続けば中級レベルですし習慣も身についていると思うので、もっと早く進めたい方や逆に1週間に1回は休みがほしい人は調整してみてください。いくつかバリエーションを後ろに載せます)
3年あれば150キロを超える人も適正体重まで無理せず落とせるかと思います。
時間をかけたトレーニングならほぼ全ての人をカバーできるというのがわかりますね。
5年で4種目・9年で6種目が完成
3年でステップ5まで進みましたが、最初から続けている4種目はそこからの2年でステップ10の最後まで終わります。
2種目が追加になった後はなかなか同じ種目が回ってこなくなりますが、高レベルのステップになると上限値が低いのですぐに進むのです。
逆に追加した2種目は特にステップ3が終わるまでは非常に時間がかかります。
基本4種目が終わったら3年もトレーニングを続けた立派な中級者。
必要に応じて種目数や一度に増やす回数を調整しても良いでしょう。
【中級者用】もっと短い期間で完成したいなら:自分に合わせてアレンジ
ある程度、運動に自信があったり最初からステップ5くらいまで無理せずこなせたり既にトレーニングを積んでいる人の場合、もう少し早く回数を増やしたりしても良いと思います。
とはいえ、半年で全部が終わるとか1年で終わるとかではないのは知っておいてください。
案1:2回ずつ増やす
1周で増やす回数を2回にすると単純にかかる期間は半分です。
2年半で4種目が、4年半で6種目が完成することになります。
ですが実際には高レベルのステップになると1回増やすのも非常に大変なので、進みが早くなるのは最初の5ステップくらいまででしょう。
同じように3回ずつ増やしたら1/3、5回ずつ増やしたら1/5の時間で終わりますが、そもそもステップ1のニータックを40回3セットやるのがきつすぎて半数以上の人がギブアップすると思うので、やはり1回か無理しても2回ずつ増やすのを限度にすべきだと思います。
(そもそも何度か触れている通り、呼吸とフォームを整えて動作のペースを指定されたスローなものにしたら負荷が大きいです。ステップ1でもそんなに急に回数は増やせません。増やせるならたいていの場合、やり方が間違っているはずです)
案2:追加の2種目が増えても4日ローテーションを維持する
基本4種目のステップ5までが終了し、追加種目が増えると6日ローテーションになって進みが遅くなります。
4日のうち2日を2種目にすれば4日ローテーションを維持できます。
この場合、基本4種目は4年3ヶ月で完成、6種目は7年ほどで完成します。
さらにハンドスタンド・プッシュアップのステップ1から3までは1秒ずつ増やすのではなく2秒ずつ増やすことにすると6種目の完成は6年ほどの期間に短縮されるのです。
6年というと中学から高校のまるごとです。
この期間で見た目だけではなくてきちんと動ける超鍛えられた身体を手に入れると考えればそれほど悪くないペースだと思います。
案3:早く鍛えたいけど休みもほしいパターン
トレーニングが基本4種のうちは1日1種目1周につき1日休みの5日ローテーション。
6種目になってからはプリズナートレーニングの後半で語られている「ベテラン」を基本として1日1種目週に1回休みのローテーションのパターンです。
休みが増えた分、極めるまでに時間がかかるので回数は2回ずつ増やしていきます。
また、追加される2種のうちハンドスタンド・プッシュアップについてはステップ3まで3秒ずつ増やします。
基本4種のステップ5完成には1年8ヶ月、基本4種の完成が3年5ヶ月、6種の完成は5年かかります。
後半はキツイかもしれませんが、休みも取れるなら頑張れるという人にはおすすめです。
まとめ
挫折しないプリズナートレーニングの具体的な進め方
・毎日休みなく1種目行い、1周ずつレップス数を増やす
・ステップアップしたらウォーミングアップを入れる
・ウォーミングアップは同じ種目のステップ1,2,3から20回+15回
・基本の4種目の5ステップが全てクリアできたら追加の2種目に取り組む
・4種目の完成に5年、9年かけて6種目を完成させる計画
・基本4種が5ステップまで終わったら自分で調整してペースを早めるのがオススメ
本で紹介されている2秒・1秒・2秒・1秒を1動作とするペースで取り組むと、1回ずつ増やしてもステップ1の中盤からかなり負荷がかかります。
この負荷の高さがゆっくり進めるという前提につながっているのだと思います。
トレーニングは誰かに強制されるものではないので、慌てる必要はありません。
ケガに気をつけながら、理想の肉体を作り上げていきましょう!!