どうも、タイヘイです。
あなたは「引き寄せの法則」を知っているでしょうか?
2007年、つまり10年くらい前にヒットした「ザ・シークレット」という自己啓発書の中で語られた法則です。
単純に言うと、何かがほしいと思ったとき(物にかぎらず地位や人との出会いなども含む)本気でそれが手に入ると信じてそのことを考え続ければ、ほしかったものが手に入るというものです。
どこかふわふわとした、具体性のないうさん臭い話ですよね。
僕も初めて知ったときは全く信じていなかったのですが、いろいろな人の経験を聞いたり本を読むうちに、成功した人の共通点の一部はこの「引き寄せの法則」に近いものがあると気づきました。
そこで今回は「引き寄せの法則」を論理的にしっかりと分析し、どこまでは正しくてどの部分が怪しいのかを考えてみようと思います。
前提:波動なんてない。無理なものは無理。
引き寄せの法則が最も批判され、うさん臭く思われる部分が本の中の「波動」という記述です。
目に見えない意志のエネルギーのようなものがある。
思考が引き寄せの法則でポジティブに変化することでそのエネルギーがプラスに変わった結果、ほしかったものが手に入るという主張がされています。
科学的に解明されていないことはまだまだたくさんありますし、これから今の世界を大きく変える発見があるかもしれません。
ですが、極めて単純な論理的思考でこれは否定できます。
それは数が限られた席を取り合った場合に矛盾が生じるということです。
わかりやすく言うと、例えばオリンピックで金メダルを取るレベルの人たちは本気で競技に取り組んでいることでしょう。
その上で限りなく引き寄せの法則に近い、自分は勝てると強く信じていて実力もある選手が複数いたとしても金メダルを取れるのは一人しかいないということです。
中国の故事で熟語になっている「矛盾」でも良いですし、神様がもしいたとして全能なら神様に持ち上げられない石を作ることはできるのか、あたりとも近い話ですね。
また、物理的に不可能な地球の裏側に瞬間移動するとか、条件を限定した場合、例えばごく普通の小学生が明日突然東大の入試問題で満点を取るとかは無理なのは当然です。
このあたりは「本気で信じれていないからだ」という反論が考えられますが、超能力を結構真剣に信じている人とか(カルト宗教の信者とかでもいいですが)それなりにいそうですが、成功例がゼロなことからやっぱり無理なものは無理としたほうが自然なわけです。
というわけで、(当時流行っていた)スピリチュアルな波動とかは存在しない、無理なものは無理という前提の上にどこまで説明がつくのかの検証をスタートします。
事実:納得できる行動の変化
まずはおおよそ確かでありそうな、目に見える行動の変化を考えていきます。
試行回数が増える
本気でできる、やろうと思うと試行回数が増えます。
就職活動で受ける会社の数が10社と100社では他の条件が同じなら後者の方が内定を得られる可能性が上がるのは当然です。
小説やマンガの新人賞でも1本目は落ちたけど何本か出したら通ったとかはよくある話です。
これは二つの理由があり、ソーシャルゲームのガチャを例にすることで説明がつきます。
一つは単純に回数を重ねるごとに一度も当たりを引かない確率が下がり、逆に言えば一度でも当たりを引く確率が上がるということ。
あくまで確率なので運にもよりますが、1回だけ回してSSRが出るより100回回した方がSSRが出る確率は高いのは当然です。
もう一つはものによってはハズレを引くごとに残りのガチャの総数が減り、当たりを引く確率が上がるということ。
スポーツや芸術に直すと回数を重ねて上達した場合ですね。
アンテナの感度が上がる
一見すると目に見えない部分のことのように思いますが、ある程度は行動の変化で説明がつきます。
それは例えば、Twitterで自分のほしいものに近づける情報を持っている人をフォローすることなどです。
そうすると以前よりもたくさんのほしいものに関する情報が入ってきます。
これは試行回数が増えることとも近いものがありますね。
それ以外だと、住む場所や付き合う人を変えることも触れる情報の変化をもたらします。
言い換えると「環境を変える」ということになるでしょうか。
トライ&エラーの幅が広がる
これは先にあげた試行回数が増えた結果、1回あたりの確率が上がる、成長する場合をより詳しくしたものですね。
例えば高校球児がバッティングに悩んでいて、打率をもっと上げたいと本気になったとします。
それまでは監督に言われた練習と素振りだけだったのが、
- 素振りの回数を増やす
- 実際のバットの振りを映像にとって確かめる
- プロのフォームを真似する
- 相手ピッチャーの情報収集をする、キャッチャーの配球の癖を読む
- 内野安打を増やすために走力を鍛える
- 右打ちだったのを左打ちに変えてみる
など様々な方法を試して、結果として自分に合ったものが見つかるといった具合です。
少し考えれば簡単に思いつくものから別の分野から知識を借りてくる前例のない場合など、実際に取れる手段は数限りなくあるというのは覚えておくべきかもしれません。
仮説:目に見えない部分
次は行動ではない、目に見えない部分の変化についてです。
前提を書き換える
見えない部分の変化で唯一確実なのがこの前提の変化です。
例えば、オリンピックに出たいとスポーツ経験のない20歳の学生が本気になったらどうでしょうか?
競技人口が多く才能が大きな割合を占める陸上の短距離などは難しいでしょう。
ですが、競技に取り組み始めるのが比較的遅いマイナーな種目だったら?
ボブスレーとかスケルトンとか。
あるいは、その競技がマイナーな国の人と結婚して国籍が変わったら?
日本ではアマチュアでそこそこレベルの人が他国ではトップというのもよくある話です。
もっと言えば、経験を積んで監督や審判といった選手以外で競技に参加することも不可能ではありません。
この方法は分かりやすいのですが、一休さんのとんちのようなものなので好き嫌いが分かれるかもしれません。
ですが、特にビジネスなどにおいては穴になっている部分を見つけるという点で役に立つことがありそうです。
自分に対する自信がつく
これはメンタルの部分の話です。
自分はできる! と思うことで不安が消えます。
するとスポーツであれば実力を発揮するのに、営業など仕事においては話し方や表情・姿勢が変わることで結果に変化が出てきます。
ただ、引き寄せの法則を始めたばかりの「根拠のない自信」と、
先に出た試行回数が増えたりすることで積み上げた「根拠のある自信」があることを忘れてはいけません。
もちろん「根拠のある自信」の方が強いのは当たり前です。
信じるものがあるという強さ
これは自分に対する自信と似ていますが、方向性が違います。
自分に対する自信が内側へ向かってのものだとすると、これは外部・他者へのものです。
日本人には馴染みがありませんが、キリスト教や仏教など宗教を信じている人はスポーツで成果を上げやすいという話があったりします。
もう少し馴染み深くすると、HUNTER×HUNTERの念を使うときの誓約です。
~をしないから~が強くなるとかそういうのですね。
強豪の野球部が炭酸飲料を禁止していたりとかはほぼこれだと思います。
あとは、子供が出来たから会社が潰れても頑張って新しい仕事を探すとかもこれに近いものがあります。
周りの反応が変わる
先にあげた試行回数やトライ&エラーの幅が広がることで、周りから見た反応が良いものに変わるというのは想像しやすいですよね。
不良が更生したらなぜか持ち上げられるのはこれの一種ではないでしょうか?
これにもパターンがあり、
- 試行回数やトライ&エラーの幅が広がることで真剣さが伝わる
- 同じく技術的な向上や偶然出た成果が評価される
といった場合が考えられます。
真剣さが伝わるというのは見ている方は本来もっと慎重に評価するべきかもしれません。
やる気は(相対的に)なくても優秀な人材を不遇に扱うことになると、組織では正しい判断をしているとは限らないからです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
他にも当てはまりそうなことはありますが、だいたい大きな成功の要因は説明がついたのではないでしょうか。
色々と分析をしてみましたが、一言で言うと
「本気になるかどうか」
で片付いてしまう気がします。
ただ、一言で片付けてしまうとそれはそれで言葉が不足しているのも確かです。
もし何かほしいものがある・なりたいものがあるときや、子供や部下にものごとを教えるときは、
「本気になれ!」ではなくて、具体的に「試行回数を増やせ」とか「前提を変えて考えてみろ」と考えたりアドバイスできると上手くいく確率が上がるとは思いませんか?
いずれにせよ、引き寄せの法則にせよそれ以外であれ、単純にうさん臭いからと言って思考停止するのではなくきちんと検証した上で活かせる部分は活かしたいですね。
ありがとうございました!